シリーズ:KCS① ナレッジを中心とした「KCS」でコールセンターは変わる

コールセンターやヘルプデスクでは、お客さまからの質問に迅速に回答しなければなりません。そのためには、センターの知識を管理すること、つまり「ナレッジマネジメント」が重要となります。

ひとくちにナレッジといっても広い意味を持ちますが、サポート業界において先進的な米国では“サポートに特化したナレッジマネジメントの手法”が存在します。ここでは、なぜナレッジマネジメントが重要なのか、“サポートに特化したナレッジマネジメント”とはどのような手法なのか、解説してまいります。

ナレッジマネジメントは今のままではいけない

時代とともにコールセンターが浸透していく中で、サポート業界では次のような課題が見受けられるようになっていきました。

  • ビジネスモデルの複雑化に伴い、発生する問題も複雑さを増している
  • サービスに対する顧客ニーズが高まり、問題解決率を向上させなければいけない
  • コールセンターやヘルプデスクに割り当てられる予算が減少している
  • 求められる業務範囲が拡大していながらも、トレーニングに対して時間が取れない

こういった事象がどの企業でも散見されるようになり、「ナレッジマネジメントのレベルを高めなければいけない」という機運が高まっていったのです。

具体的には、ナレッジを「ただの記録」として見るのではなく、「有用なコンテンツ」に昇華させるような仕組みや考え方が必要でした。

10年の歳月を経て生み出された「KCS」

そういった背景の中、米国の非営利団体である「サービスイノベーションコンソーシアム」が10年に及ぶ調査と実践を通じて発表したのが、「KCS(ナレッジセンターサポート)」です。この手法は米国において多くの企業に取り入れられ、コールセンターやヘルプデスクのオペレーターからマネジメント層にいたるまで幅広く利用され、高い投資対効果が確認されています。

KCSの手法についての概略は、「ナレッジを捉え、構造化し、再利用し、改善する」という一連の動きです。問題解決のために何かを追加するのではなく、“問題を解決する方法そのもの”とも言えます。

米国の非営利団体である「サービスイノベーションコンソーシアム」には、Cisco・HP・Microsoft・Oracle・Sun・Symantecなど多くの企業が参画しており、「サポートセンターのナレッジをより有効に問題解決につなげるにはどうしたら良いか」について各企業で議論されてきた「結晶」が形になったと言えるかもしれません。

KCSを活用することで期待できる効果

KCSという手法に対する“期待効果”としては、次のようなものが挙げられます。

  • 個人がコール処理を行う一連の流れがスムーズになる
  • 一次対応でクローズすることが多くなり、FCR(First Call Resolution)の数値が向上
  • エスカレーションする案件数が少なくなり、現場の業務効率が高まる
  • 誰が対応しても同等のソリューションを提供でき、センターの一体感が強まる

このように多くの期待が集まるKCSですが、本来の狙いとゴールはシンプルで、「見つけやすく使いやすいコンテンツを作り出すこと」です。 つまり、コンテンツこそが最も重要となるのです。

実際、KCSでは「コールログ」と呼ばれる対応記録を「ただの記録」として扱うのではなく、「コンテンツ」や「ソリューション」と呼んでいます。

KCSのコアになるもの

KCSモデルの中心にあるのは、前述の通りナレッジでありコンテンツです。

KCSの手法の中でコンテンツを捉え、構造化し、再利用することが重要になります。そのため、KCSの手法としてのゴールは、「見つけやすく使いやすいナレッジ記述」を作成し、コンテンツとして発展させていくことなのです。

その一連の流れを「ダブルループプロセス」と呼ぶのですが、次回よりその「ダブルループプロセス」について解説してまいります。

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