「プレゼンティーズム・アブセンティーズム」の意味

監修

東京大学 大学院教育学研究科
臨床心理学コース
教授/臨床心理士
博士(教育学) 下山 晴彦

東京大学 大学院教育学研究科
臨床心理学コース
下山研究室
博士課程 内村 慶士

近年、企業の生産性に悪影響を与えるとして「プレゼンティーズム・アブセンティーズム」が問題視されつつあります。プレゼンティーズムは「健康の問題を抱えつつも仕事(業務)を行っている状態」を表す言葉であり、アブセンティーズムは「仕事を休業している状態」を表す言葉です。

厚生労働省保健局の「コラボヘルスガイドライン」では、プレゼンティーズムによって生産性が低下し、コストが増大することが明らかになっています。また、現在は問題がなくとも、将来的にアブセンティーズムへとつながってしまう可能性は否めません。そのため、予防的観点からもプレゼンティーズムへの対策が重要といえるのです。

体調不良により低下する業務パフォーマンスと、生じる損失

体調不良によってどれだけ業務パフォーマンスが低下するかは、企業の損失額から読み取ることができます。厚生労働省保健局の「コラボヘルスガイドライン」によると、健康リスクに基づいて従業員を「低リスク群」「中リスク群」「高リスク群」の3つに分類したとき、低リスク群ではプレゼンティーズムによる年間損失が約50万円。中リスク群・高リスク群では年間損失が約70万円に上ると推定されています。

さらに同調査によると、企業の70%は低リスク群、30%は中リスク群・高リスク群という結果が。仮に1,000名の従業員を抱える企業で概算した場合、「700(人)×50(万円)=3億5,000万円」「300(人)×70(万円)=2億1,000万円」となり、合計で約5億6,000万円の損失が生じることになるのです。

もし、中リスク群・高リスク群の200名が「低リスク群」に改善した場合、年間の損失は約5億2,000万円となり、約4000万円のコストが削減できることになります。
(参照:厚生労働省「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」PDFファイルを開きます

プレゼンティーズム・アブセンティーズムへの対策

アメリカの調査では、「アレルギー」「関節炎」「喘息」「首や腰の痛み」「呼吸系の疾患」「うつ」「糖尿病」「偏頭痛」「循環器系疾患」「胃腸の疾患」という10個の健康問題がプレゼンティーズムによるパフォーマンス低下につながっていると報告されています。

これらの健康問題が発生する要因としては、食生活の偏りや運動不足といった生活習慣の乱れが挙げられるでしょう。また、従業員自身の健康に対する意識が低いこと、医療機関にかかろうとしないことなども要因と考えられます。そのため、従業員の生活習慣の改善を促していくことで、ある程度プレゼンティーズムを改善することはできるでしょう。

しかし、残業による睡眠時間の低下や、希望とは異なる時間の勤務など、企業側が従業員に及ぼす悪影響も忘れてはなりません。それをしっかりと把握した上で、従業員のプレゼンティーズムに対する意識を高め、健康問題を解決するための教育をしていくことが必要になります。健康診断による健康管理などが、その第一歩といえるのではないでしょうか。

健康経営を目指すためには

また、職場でのストレスは、プレゼンティーズムを引き起こす要因とされています。「平成29年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、「現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっている事柄がある」と回答した人の割合は58.3%。多くの人が何らかのストレスを抱えながら仕事に取り組んでいることがわかります。

企業が目指すべきは、健康経営です。健康経営とは、「企業が従業員等の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」という基盤に立って、健康管理を経営的な視点で捉え戦略的に実践することです。

(参考:コラム「今、注目される「健康経営」。企業はどのように取り組むべきか」

企業として、社員が抱えるストレスを解消し、プレゼンティーズムを減らしていくためには、健康診断による従業員の健康状態の把握・管理のほか、効果的な就労支援が必要であることがおわかりいただけるでしょう。

パーソルワークスデザインのサービス紹介

ただ、健康経営への取り組みを始めたいが、「人的リソースがない」「ノウハウがない」「予算がない」といった理由で一歩を踏み出せずにいる企業担当者も多いのではないでしょうか。そのようなニーズを踏まえ、パーソルワークスデザインでは健康経営を進める上で取り組むべき項目のひとつである、健康診断の実施支援や、健康診断で特定保健指導対象に該当した方々への特定保健指導支援を行っています。

健康診断実施支援は、健康診断の実施に伴う業務全般をサポートするサービスです。受診率向上や検診結果データの見える化などを通して、健康診断の実施・管理にかかる担当者の作業負担軽減を実現します。

特定保健指導支援は、特定保健指導対象者に対して、自社の管理栄養士が対面面談や電話フォローを実施するサービスです。食事・生活・運動の改善指導を行い、重症化予防に取り組みます。

これらのサービスとパーソルグループに蓄積する豊富なノウハウを活かし、企業の健康経営をきめ細やかにサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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