庶務アウトソーシングとは?導入のメリット・デメリット、依頼時に重要なポイントを解説!

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庶務アウトソーシングとは?導入のメリット・デメリット、依頼時に重要なポイントを解説!

庶務アウトソーシングとは?導入のメリット・デメリット、依頼時に重要なポイントを解説!

庶務を担当される方のなかには「本来やるべき仕事が停滞・遅延している」「業務を効率化して業務負担を減らしたい」といった課題を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

企業が成長するうえで必要不可欠な“コア業務”に十分なリソースを注げないことは、成長が鈍化するだけでなく、ストレスや焦りを感じる原因にもなるでしょう。

本記事では、そうした課題の解決に役立つ「庶務アウトソーシング」について、メリットやデメリット、依頼時に重要なポイントなどについて解説します。この記事を参考に庶務アウトソーシングを導入することで、効果的なアウトソーシングにつながっていくはずです。ぜひ最後までご覧ください。

1. 庶務アウトソーシングとは

庶務アウトソーシングとは、企業の庶務業務を代行業者に委託することで、自社の業務の負担を減らすサービスのことを指します。

庶務アウトソーシングで依頼できる業務内容は、委託先の企業によって大きく変わりますが、例えば大手人材サービスのパーソルテンプスタッフ株式会社では次のような庶務業務を代行しています。

庶務サポート〇特徴
デスクワークや電話応対など、庶務に関わる業務を広範囲に渡って代行

〇対応業務の一例
▶電話応対:外部からの電話への対応や、代表電話への対応
▶名刺発注:名刺データの新規作成、変更、校正、印刷発注、納品を代行
▶出張⼿配:出張時の飛行機・新幹線の予約や、宿泊施設の選定・予約などを代行
▶カードの発⾏業務:セキュリティカードの新規発行や返却、不要になったカードの廃棄処理・リサイクルなどを代行
▶組織変更の付随業務:組織変更時の組織図の作成や、住所・電話番号の一覧表の作成などを代行
▶年賀状の作成代行:年賀状の印刷手配や部数の調整、宛名画の印刷、ポストへの投函などを代行

数ある庶務業務のなかでも、依頼が多い業務は「代表電話応対」です。代表電話応対への負担が大きい場合には、積極的にアウトソーシングを活用してみると良いでしょう。

2. 庶務アウトソーシング導入のメリット

次に、庶務アウトソーシングを導入する主なメリットとして3つを挙げ、解説していきましょう。

メリット(1)コア業務にリソースを集中できる

庶務業務は、その性質上、企業の利益に直結しない“ノンコア業務”が多くなる傾向にあります。しかし、企業の利益を高めて成長させていくうえでは、利益に直結する“コア業務”に注力することが重要です。

その解決策が、『庶務アウトソーシング』になります。

多くのノンコア業務を依頼先の企業に委託することで、業務負担を軽減することができます。ノンコア業務が減ることで、空いたリソースを戦略立案や企画立案など、重要な業務へと集中して費やせるようになるでしょう。

中小企業やスタートアップ企業では、分業が進んでいないことから庶務担当者が非常に広範の業務を担っているケースや、経営者自らが庶務をこなすケースもあるはずです。そうした場合、庶務アウトソーシングを活用することで特に業務負担を減らすことができ、コア業務に十分なリソースを割きやすくなるのです。

メリット(2)業務の品質向上が期待できる

業務品質の向上が期待できる、というのも庶務アウトソーシング導入のメリットの1つです。

庶務アウトソーシングを提供している企業は、多くの企業の業務を代行してきており庶務業務に精通しているため、多くの知識やノウハウを有しています

また、蓄積したノウハウをもとに、庶務業務に適した担当者の採用だけでなく、業務の習得や品質向上のための育成なども行っています。

そのため、依頼された業務を必要最低限の水準で単純に処理するだけでなく、高品質かつスピーディーに処理することが可能です。名刺発注や出張手配などの業務を迅速かつ高品質に処理できるようになれば、社員が働きやすくなるというメリットもあるでしょう。

また、アウトソーシング企業によっては、クライアント企業の業務フローの改善や、効率的な体制構築の提案まで実施してくれるケースもあります。そうした企業に依頼すると、高い確率で業務効率化を実現することも可能になるでしょう。

メリット(3)引き継ぎの手間や労務管理の負担を削減できる

引き継ぎや採用、労務管理の負担を減らすことができるのも、庶務アウトソーシング利用のメリットです。

人員調整や雇用契約上の都合で、庶務担当者の異動などが発生することもあるでしょう。その際には、新しい担当者の採用や業務習得のための教育、前任者からの業務引き継ぎなどが発生してしまいます。庶務の関連業務以外にも多くの業務を抱えているなかで、採用や引き継ぎなどの業務に対応するのは負担が大きいものです。

しかし、庶務業務を代行業者に委託すれば、委託先の企業が担当者を常時調整してくれるため、引き継ぎや教育などの手間が発生しません

また、依頼先の企業の担当者は自社の社員ではないため、社会保険の手続きや給与計算、勤怠管理など、労務面の管理が発生しないというのも大きなメリットといえるでしょう。

3. 庶務アウトソーシング導入のデメリットや注意点

庶務アウトソーシング導入のデメリットや注意点

庶務アウトソーシングを導入するうえでは、デメリットや注意点もあります。ここでは、3つを挙げて解説しましょう。

デメリット(1)外部に社内情報を出すことにリスクが伴う

庶務アウトソーシングの利用にあたっては、外部に社内情報を出すことにリスクが伴いますので注意が必要です。

庶務業務のアウトソーシングでは、契約書・申込書といった書類の処理や、職場で使用される各種資料の作成など、社外に漏れてはいけない情報をアウトソーシング企業に取り扱ってもらうことになります。

そのため、情報セキュリティ面についてはアウトソーシング企業に依存することになり、自社ではどうしようもない側面も出てくるでしょう。

情報漏洩のリスクを払拭するためには、セキュリティに力を入れており、プライバシーマークやISOなどの認証を得ている企業に依頼することが重要になってきます。

デメリット(2)特殊なケースでは対応してもらえない可能性がある

庶務アウトソーシングを活用するうえでは、自社の業務内容や手順が特殊な場合には注意が必要です。

自社が“独自の手順に沿って業務をしている”といった場合に、アウトソーシング企業がその方法に対応できないと、依頼を受け付けてもらえない可能性があるのです。

万が一、問い合わせ時のやり取りなどでそのことが発覚しなかった場合、見積もりや依頼などひと通りの労力を費やした後に断られてしまうリスクがあります。

また、自社独自のやり方に沿って業務代行をしてもらえる場合でも、オプション料金として追加料金が掛かってしまい、想定外に費用がかさんでしまうケースも考えられるでしょう。

アウトソーシングを依頼する前に、自社ならではの業務内容に対応してもらえるかどうかや、具体的にどのくらいの費用が発生するのかをしっかりと確認しておくことが重要です。

デメリット(3)社内に業務ノウハウが蓄積されない

アウトソーシングする庶務業務のノウハウは、アウトソーシング先の企業にのみ蓄積されていき、自社には蓄積されない点にも注意が必要です。

何らかの事情でアウトソーシングができなくなった際に、ノウハウが蓄積されていなければ業務を回すのが困難になってしまうリスクがあります。

自社に十分なノウハウがある状態で委託する場合は、当面の間はそうした委託によるデメリットは問題にならないでしょう。しかし、長期にわたって委託する場合には注意が必要になってきます。

依頼を重ねるうちに、次第にアウトソーシング先にノウハウが蓄積されていきます。そして、委託後に新たに追加となった業務については、「アウトソーシング先の企業にしかノウハウがない」といった事態が生じてしまうのです。

こうしたリスクを排除するうえでは、定期的に自社と情報共有をしてくれる企業に依頼することが重要です。

4. 庶務アウトソーシングをする際に重要なポイント

続いて、庶務アウトソーシングをする際に重要なポイントを3つ挙げて解説します。

ポイント(1)実績が豊富な企業に依頼する

庶務アウトソーシングを利用する際には、依頼先企業の実績が豊富であるかどうかが重要です。

ここまで紹介してきた「アウトソーシング先の企業にはノウハウが蓄積されており、業務品質の向上が期待できる」「コア業務に専念できる」といったメリットは、実績が豊富な企業に依頼した際に期待されるメリットです。

仮に、実績がなく実力不足の企業に依頼するとします。そうした場合、庶務業務に関する十分なノウハウを有していないことから、自社よりもスピード感が遅く、低品質な庶務業務が行われてしまうかもしれません。

また、知見がないことからアウトソーシング企業だけで対応しきれず、業務のことやトラブルのことで自社への問い合わせが増えてしまい、対応に追われる可能性もあるでしょう。

豊富な実績を持つ企業では、数多くの代行経験でノウハウが培われているため、そうしたリスクがなく安心して依頼することができます。

ポイント(2)幅広い業務内容に対応している企業を選定する

豊富な庶務業務に対応している企業を選定することも、庶務アウトソーシング利用時のポイントです。

対応可能な業務数は、依頼先の企業によって大きく異なります。

対応可能な業務の種類が豊富な企業であれば、自社の依頼したい業務を希望通りに代行してくれる可能性が高くなるでしょう。また、対応範囲の幅広い企業への依頼では、自社の想定を超えた業務まで依頼できるようになるはずです。

例えば、当初は庶務業務のみの依頼を考えていたものの、委託先の企業が総務業務にも幅広く対応していることから、「総務業務についても依頼することになった」というケースもあります。

庶務に限らず、ノンコア業務は幅広く委託することがポイントになってきます。そのため、対応可能な業務数が豊富な企業を選定しておくと、長期的に柔軟な運用ができるでしょう。

依頼前には自社の業務内容の整理をし、委託すべき業務と自社で賄うべき業務に分けておく必要があります。依頼予定の企業が「委託したい業務内容に対応していない」という場合、妥協するとか新しい企業を探すといったことになってしまいます。

そういったリスクを回避できるという点においても、代行可能な業務数が多い企業を選ぶと良いでしょう。

ポイント(3)業務効率化の手法を確立している企業に依頼する

庶務アウトソーシングの代表的なメリットである「業務効率化」を進めていくうえでは、アウトソーシング先の企業にそれを実現できるノウハウがあることが前提になります。

例として、人材大手のパーソルテンプスタッフでは、煩雑化、分散化、属人化しがちな庶務・総務業務の受付をワンストップ化する仕組みを確立しています。

依頼元の企業の社内にカウンター窓口を設けることで、「社員が庶務・総務に関する問い合わせをしやすい環境を作っている」というわけです。

仮にこうしたノウハウのないアウトソーシング先の企業に依頼してしまうと、「どこの誰に問い合わせれば良いかわからない」「担当者が不在のときに業務が停滞する」といった問題が発生し、業務効率化が実現できないリスクがありますので注意が必要です。

5. 庶務アウトソーシングの導入の流れ

庶務アウトソーシングの導入の流れ

最後に、庶務アウトソーシングを導入する際の流れについて、前述した「パーソルテンプスタッフ」を例にご紹介しましょう。
パーソルテンプスタッフがクライアント企業様に庶務アウトソーシングを導入する際には、以下の流れで導入を進めていきます。

(1)現状の把握と施策の提案

(2)最適なスタッフィングと業務習得

(3)運用準備

立ち上げまでの期間は3〜4ヶ月ほどです。それぞれの詳細について、解説していきましょう。

STEP(1)現状の把握と施策の提案

まず実施するのは、業務調査です。
ご依頼をいただいたら、クライアント企業様の社内を訪れ、業務現場の見学や庶務業務の担当者様へのヒアリングをし、どのような業務をどのような形で運用されているのかなどを調査します。

その業務調査で判明した内容をもとに、クライアント企業様における適切な委託範囲を決定します。また、システム導入などにより業務効率化やコスト削減が見込まれる場合には、そういった提案も実施していきます。

そして、受託内容に合意が得られた場合には、運用で必要となる工数や体制の提案も行います。

STEP(2)最適なスタッフィングと業務習得

クライアント企業様の合意が得られた後に行うのは、最適なスタッフィングです。ご依頼いただく内容に対して、最適なメンバーを選定し配置していきます

また、依頼された業務を着実にこなせるよう、選定したメンバーに対して業務の習得も実施します。

STEP(3)運用準備

最後に、目標達成に向けて構築と運用の準備をします。
また、委託化に伴って、運用ルールの整理業務依頼方法の定型化も実施します。

その後、「業務全体の流れ」の検証から、業務の進捗管理、メンバーの育成計画の立案・実行までを終えたら運用準備の完了です。お客様のご依頼内容にもとづき、実際に庶務業務を実施していきます。

6. 庶務アウトソーシングならパーソルグループへ

本記事では、庶務アウトソーシングについて説明してきました。庶務アウトソーシングを活用することで、以下のようなメリットが得られることがお分かりいただけたかと思います。

・コア業務にリソースを集中できる

・業務の品質向上ができる

・引き継ぎ・採用の手間や労務管理の負担を削減できる

こういったメリットを享受するためにも、委託先の企業を選定する際にはコストの低さだけで決めるのではなく、安全性や品質、実績、サービス内容も加味して企業を選定することが重要です。そうすることで、不要なトラブルを避けられるとともに、期待以上の成果を得られるはずです。

パーソルグループの各企業では庶務のアウトソーシングサービスを提供しております。実績も豊富にあり、幅広い業務に対応しています。業務効率化も図れますので、庶務業務でお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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