総務代行とは?依頼するメリットやデメリット、料金相場について徹底解説

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総務代行とは?依頼するメリットやデメリット、料金相場について徹底解説

総務代行とは?依頼するメリットやデメリット、料金相場について徹底解説

総務業務を行っている担当者のなかには、「日々単純な作業に追われ、重要なコア業務にまったくリソースを割けていない」「業務の改善をしたいが、時間がない」などの課題を抱えている方も多いでしょう。

業務量の多い総務業務をこなしつつも、同時並行でコア業務に取り組んだり業務効率化を図ったりするのは、非常に困難だと思います。

そこで本記事では、総務業務を代行する「総務代行」の概要や、活用するメリット・デメリット、料金形態や相場、アウトソーシング企業を選定するうえでのポイントなどについて徹底解説していきます。この記事を読むことで、総務代行の詳細がつかめ、導入における失敗を避けることができるはずです。

1. 総務代行とは?

総務代行とは、その名の通り総務業務を代行業者に代行してもらうことを指します。具体的に代行してもらえる業務としては、建物の管理や会議の運営、備品整備、社内行事の企画運営などの総務業務全般が該当します。

総務の仕事は非常に広範囲にわたるため、各企業のどの業務が「総務」に該当するのかは、企業ごとに異なります。中小企業など、規模の小さい企業では特に違いが大きく、「経理」や「法務」など、通常は総務とは別の業務に分類されるものでも、総務として扱われることもあるでしょう。

そのため、総務代行も、非常に広範囲な業務を依頼することができるのが特徴です。

2. 総務代行で負担を減らせる業務内容

総務代行で負担を減らせる業務内容

サービス提供会社によって業務の対応範囲は異なり、対応業務の分類もさまざまです。一例を挙げると、人材サービス大手のパーソルテンプスタッフ株式会社では以下の分類でさまざまな業務に対応しています。

カウンターサポート〇特徴
定型的業務を集約し、ワンストップ化

〇対応業務の一例
▶総務カウンター:委託先企業に「総務カウンター」を設置して、従業員・外部業者の窓口を一本化
▶メール代行:社内便・宅配・郵便などの受け取りから仕分け、発送業務などを代行
▶貸出業務:ゲストカードや機材の貸出や回収、未返却物の督促、定期点検などを代行
庶務サポート〇特徴
デスクワークやメール・電話応対など、庶務に関わる業務を幅広く代行

〇対応業務の一例
▶名刺発注:名刺データの新規作成から変更、校正、印刷発注、納品まで代行
▶出張⼿配:宿泊する施設の選定・予約、飛行機や新幹線の予約などを代行
▶カードの発⾏業務:セキュリティカードの新規発行や返却、不要になったカードの廃棄処理・リサイクルなどを代行
ビジネスサポート〇特徴
コア業務にリソースを注ぎやすくするための環境作りや、IT・オフサイト活用による業務の効率化、コストカットの実現

〇対応業務の一例
▶契約書の作成⽀援:定型フォーマットの契約書の作成や、社員の作成物のダブルチェックなどを代行
▶請求処理:毎月の集計や不備の有無をチェック、システムへの登録などを代行
▶IT⽀援:RPAなどの利用による業務自動化の提案や、システム構築の支援、リモートワークの支援などを代行

※参考:パーソルテンプスタッフ「経理・総務のアウトソーシング」

ここでは一社の例を見てきましたが、数ある総務業務のなかでも、以下の2つは特に委託されることが多い業務といえます。

・総合窓口

・代表電話

そのため、自社内でこれらに該当する業務が負担になっている場合には、積極的に委託を検討すると良いでしょう。

3. 総務代行の4つのメリット

総務代行を活用する代表的なメリットとしては以下の4つが挙げられます。

・引き継ぎ・採用の手間や労務管理の負担を削減できる

・重要な仕事に社内のリソースを注げる

・総務業務の「見える化」により改善ができる

・テレワークを実施しやすくなる

それぞれについて解説していきましょう。

メリット(1)引き継ぎ・採用の手間や労務管理の負担を削減できる

引き継ぎや採用の手間、労務管理の負担を削減できるという点が、総務代行を活用するメリットとして挙げられます。

総務を担当している社員の異動や、派遣社員への交代時には、新規担当者の採用はもちろん、教育・研修・業務の引き継ぎなどが発生してしまいます。日々多くの業務を抱えている中で、こうした業務に対応するのは現場としても負担が大きいでしょう。

しかし、総務代行に依頼すれば、依頼先の企業が常に担当者を用意してくれるため、採用や引き継ぎ、教育などの手間は発生しません

また、依頼先の企業の担当者は自社の社員ではないため、勤怠管理や給与計算、社会保険手続きなどの労務面の管理が発生しないのも大きなメリットといえます。

メリット(2)重要な仕事に社内のリソースを注げる

総務代行を活用すれば、重要な仕事に社内のリソースを注げるようになる点も大きなメリットです。

総務担当者は、日常的に発生する「備品管理」や「窓口業務」といった“ノンコア業務”に時間をとられています。しかし、企業を取り巻く環境が激変する現代では、利益につながらない単純作業に多くのリソースを割くことは生産的ではないでしょう。ノンコア業務に時間や労力を注いでいるうちに、競合他社に取り残されてしまう可能性もあるのです。

そうならないためには、組織として業務面・環境面で抱えている課題の解決策を考えることにリソースを注ぐことが重要です。

総務代行を活用すれば、ノンコア業務を代行業者に依頼でき、空いたリソースを社内業務の効率化のためのアイデア考案など「コア業務」に多くの時間を充てられるようになります。

メリット(3)総務業務の「見える化」により改善ができる

総務代行を依頼すると、総務業務を見える化できて総務業務の効率面や品質などを改善できるのもメリットでしょう。

アウトソーシング先の企業によっては、代行を依頼する前の「業務整理」や「マニュアル作成」なども手伝ってくれることがあります。

業務整理やマニュアル作成などは、属人化していた業務の「見える化」と「業務の再設計」につながります。業務の見える化・業務の再設計をするなかで見つかった「不要な業務」や「正確性の低い業務」を改善することで、生産性の向上や品質の向上を実現することが可能になります。

このように業務を「見える化」できるのも、代行によるメリットの一つでしょう。

メリット(4)テレワークを実施しやすくなる

総務代行の活用により、現時点ではテレワークの導入が難しい企業でも、テレワークを実施しやすくなる点もメリットといえます。

総務担当者が社内で「総合受付の対応」や「代表電話の対応」、「従業員からの問い合わせ対応」などを行っている場合は、社内にいなければならないためテレワークが実施しにくくなります。

しかし、総務の代行業者に依頼をして、そうした業務をオンサイトで運用してもらうことで出社の必要性を大きく減らせるようになります。そのため、従業員の働きやすい環境作りにもつながるでしょう。

4. 総務代行のデメリット・注意点

総務代行には、次のようなデメリットもあります。

・アウトソーシングする業務の整理が必要である

・ノウハウが溜まりにくい

・業務内容に対しての指示が出しにくい

ここからは、それぞれの詳細と対処法について解説していきます。

デメリット(1)アウトソーシングする業務の整理が必要である

アウトソーシングをする際には、依頼する業務内容を把握する必要がありますが、その整理に時間や労力が掛かってしまう点がデメリットの1つでしょう。

総務業務は業務内容が広範囲にわたり属人性が高いことから、社内にどのような総務業務があり、それぞれの作業にどの程度の時間や負担が掛かっているのかを把握するのには、多大な時間と労力が必要になるものです。

自社が代行業者に依頼すべき業務をスムーズに見つけ出すためには、依頼前に自社の業務内容などについてしっかりとヒアリングしてくれる企業を選定することが重要になります。

デメリット(2)ノウハウが溜まりにくい

代行を依頼した業務に関して、ノウハウが溜まりにくい点も総務代行のデメリットです。

アウトソーシングをした総務の「業務」は社内で処理する必要がなくなるものの、アウトソーシングをした「業務のノウハウ」は蓄積しにくくなります。

そのため、何らかの事情で総務代行の依頼を停止しなければならなくなった際に、自社に総務業務を担える社員がいなければ、総務業務を自社だけで処理する状態に戻すのが難しくなってしまうでしょう。

依頼した直後は総務担当者が社内に在籍していても、総務代行業者に依頼している間に総務の担当者が不在となってしまうこともあるものです。

いざという時に迅速に対応できるように、定期的に依頼先の企業に業務内容について情報共有をしてもらい、コミュニケーションをとれる体制を作っておくと良いでしょう。

デメリット(3)業務内容に対しての指示が出しにくい

総務代行では、業務内容に対しての指示が出しにくいことにも注意が必要です。

社内で総務業務の担当者を用意して指揮下に置く場合と違って、アウトソーシングでは依頼先の企業の担当者が総務業務を行います。そのため、総務担当者と直接コミュニケーションをとることがどうしても難しくなってしまいます。

その結果、業務や成果物の品質は依頼先企業の実力に委ねられてしまうわけです。

特にオフサイトで運用をしている場合には、委託先の業務状況を直接見ることができません。そのうえ、コミュニケーション上のルールも定めておかないと、業務のスケジュールが遅くなってしまう可能性もあるでしょう。

こうしたリスクを払拭するには、実績のある企業や業務品質に自信のある企業に依頼すると間違いがないはずです。

5. 総務代行の料金形態・相場

総務代行の料金形態・相場

それでは続いて、総務代行の料金形態や相場を見ていきましょう。総務代行の料金形態としては、大きく分けて以下の2パターンがあります。

(1)時間単位

(2)業務単位

ここからは、それぞれの特徴と相場についてご紹介していきます。

(1)時間単位の場合

時間単位の料金形態では、“1時間あたり〇〇円”という形式で料金が発生します。

なお、時間単位の相場は、1時間あたり2,000円~4,000円程度です。どのような業務を依頼しても料金が同じであることから、「依頼費用を把握しやすい」というメリットがあります。

(2)業務単位の場合

業務単位の場合には、時間単位ではなく“業務ごと”に料金が設定されています。

「労務管理サポート:〇〇円」「給与計算:〇〇円」といった形式で依頼する業務ごとに料金が設定されており、依頼したい業務をピンポイントで代行してもらえるのがメリットです。

業務単位の料金も依頼先の企業によって大きく異なりますが、おおまかな相場感は次の通りです。

業務内容料金相場
領収書や請求書の整理3万円
労務管理サポート2万円~5万円
給与計算2万円~20万円
秘書業務1万円~10万円
決算処理代行5万円~20万円

6. 総務代行を選ぶ際の注意点

総務代行を選ぶ際には、注意しなければならない点があります。2つほど挙げて解説しましょう。

注意点(1)しっかりと業務調査をしてくれる企業を選ぶ

依頼先の企業を選定する際には、しっかりと業務調査をしてくれる企業を選ぶことが重要です。業務調査をしてくれない企業を選ぶと、自社にとって不要な業務を依頼することになったり、不要なトラブルに発展したりするリスクがあります。

しっかりと業務調査をしてくれる企業では、以下のような方法でクライアント企業の現状把握や提案を行ってくれます。

・業務現場の見学

・業務内容や課題のヒアリング

・委託化範囲の検討

・必要な工数や体制案の提示

・業務の効率化の方法の提案 など

総務業務の代行依頼をする際には、こういったことを実施する企業を選ぶことで、思いもよらない失敗を避けられるようになるはずです。

注意点(2)ノウハウを持っている企業を選ぶ

総務代行を依頼する企業を選定する際には、十分なノウハウを有している企業に依頼することも重要です。ノウハウを持っている企業を選ぶことで、自社内の業務をすばやく正確に把握してもらえるため、スムーズに運用を開始することができるのです。

ノウハウを持っている企業を選ぶ際には、“運用実績がある企業”を選定するようにしましょう。一般的には、総務が担当している業務範囲や複雑さは、企業規模によって大きく左右されます。そのため、自社と同規模程度のクライアント企業での運用実績を持つ企業を選定することがポイントです。

選定の際には、企業のホームページなどに掲載されている「導入実績」を参考にすると良いでしょう。

7. 総務代行ならパーソルグループへ

総務代行を活用することで、多くのメリットが得られることがお分かりいただけたかと思います。総務代行を依頼する企業を選定する際には、「しっかりと業務調査をしてくれるかどうか」「自社に対応できるノウハウを持っているかどうか」を重視すると、総務代行における失敗を避けられるはずです。

パーソルグループでは、総務アウトソーシングサービスを提供しております。

業務をデザインする専門部隊により、緻密な業務調査・設計で最適な運営体制を構築しています。また、現場においては管理者の徹底したマネジメントによる継続的な業務改善で、品質向上に取り組んでいます。

総務業務に関して何かお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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