採用代行(RPO)と人材紹介の違いとは?サービスや料金体系の違い、メリット・デメリット、選び方を解説

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採用代行(RPO)と人材紹介の違いとは?サービスや料金体系の違い、メリット・デメリット、選び方を解説

採用代行(RPO)と人材紹介の違いとは?サービスや料金体系の違い、メリット・デメリット、選び方を解説

人手不足が慢性化している企業は多く、採用活動の重要性が高まっています。しかし、選考プロセスで細やかなフォローがなければ優秀な人材の獲得が困難な状況であり、採用担当者の負担は増加するばかりです。

そこで注目されているのが、「採用代行(RPO)」や「人材紹介」といったサービスです。

ただ、担当者の中には「採用代行と人材紹介の違いがよくわからない」「自社の採用活動に、採用代行と人材紹介のどちらを利用すべきか知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、採用代行と人材紹介のそれぞれのサービス内容や違いメリット・デメリット、そして選び方を解説します。採用活動支援をご検討の場合には、ぜひ参考にしてみてください。

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1. 採用代行と人材紹介の違いとは

まずは、混同されがちな採用代行と人材紹介について、サービスや料金体系、法律面における違いを解説していきましょう。

違い(1)サービス

採用代行とは、企業の採用業務の一部または全てを外部委託するサービスで、「RPO(リクルーティング・プロセス・アウトソーシング)」とも呼ばれています。

採用代行サービス会社には、次のような幅広い業務をアウトソーシングできるのが特徴です。

▼採用代行へアウトソーシングできる業務例

採用計画の立案人物要件の定義、採用プロセスの設計、KPI設定、採用HPやSNSの企画、募集フローの設計など
母集団形成求人媒体の掲載や管理、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS運用、インターンシップの企画や運営など
応募受付応募者からの書類管理、面接日時の調整、採用プロセス管理など
書類・面接選考採用基準を踏まえたうえでの選考業務、面接官トレーニングなど
内定対応内定書類の送付など

採用プロセスが複雑化する現代において、自社内で採用業務を完結することが難しい企業は増えています。そこで、採用業務をアウトソーシングできる『採用代行』に注目が集まっているのです。

一方、人材紹介は企業と求職者をマッチングさせるサービスで、人材紹介会社は「エージェント」と呼ばれることがあります。企業が希望するスキルや経歴のある人材を見つけ「紹介」することに特化している点が、採用代行との大きな違いです。

人材会社には大きく分けて「登録型」と「サーチ型」があり、次のような特徴があります。

▼人材会社の種類

  登録型人材バンクとも呼ばれ、転職希望者がスキルや経歴、希望条件などの情報をあらかじめ登録し、人材会社が求人条件に合った人材を企業に推薦する
  サーチ型ヘッドハンティングやスカウトとも呼ばれ、企業からの求人条件に対し、エージェントのネットワークを駆使して最適な人材を探し出し紹介する

面接などの採用プロセス自体は人材を探している企業が実施し、キャリア相談やスケジュール調整など、求職者が雇用契約を交わすまでのサポートを人材会社が担います。

違い(2)料金体系

採用代行と人材紹介には、料金体系で次のような違いがあります。

▼採用代行と人材紹介の料金体系の違い

採用代行主に業務委託契約で、「月額一律制」と「従量課金制」がある  
– 月額一律制……業務範囲に応じて月額費用が変わる
– 従量課金制……業務量に応じて発生する費用が変わる
人材紹介主に請負契約で、「成功報酬型」が一般的に採用されている
– 成功報酬型……採用確定後、求職者の年収の35%前後を支払う

採用代行は、たとえ採用できなくても毎月必ず一定の料金が発生します。しかし、優秀な人材を複数人採用できた場合でも同じ料金で済みますので、費用対効果が高い料金体系といえるでしょう。

一方、人材紹介の成功報酬型では、人材を紹介されても採用に至らなければ、基本的に料金は発生しません。初期費用がかからないメリットがありますが、採用の場合は求職者の年収に応じて金額が変わってきます。

エグゼクティブクラスの年収が高い人材を獲得した場合には、報酬が高額になる可能性があります

違い(3)法律面

採用代行と人材紹介には、法律面でも次のような違いがあります。

▼採用代行と人材紹介の法律面での違い

採用代行採用業務をアウトソーシングする際、厚生労働大臣か管轄の労働局長から許可を得る必要がある ※職業安定法の第36条「委託募集」に該当
人材紹介人材紹介会社は“仲介斡旋”を行うため、厚生労働大臣の許可が必要  ※職業安定法の第4条に該当

稀に「採用代行は違法行為ではないのか」と言われることがあります。しかし、募集主と募集受託者の双方が許可を取得していれば、委託募集を行っても違法行為には当たりません。

※採用代行の法律については、こちらの記事で詳しく解説しています。詳細を知りたい方はこちらを覧ください。

採用代行は違法?採用代行のサービス内容や、法律を遵守しながら活用する方法を解説

2. 採用代行を利用するメリット

続いて、採用代行を利用するメリットについて、4点を挙げて解説します。

メリット(1)コア業務に集中できる

採用代行を利用すると、ノンコア業務を外部委託でき、従業員はより重要なコア業務に集中できるようになります

たとえば、面接のスケジュール管理やスカウトメッセージの送信、メディアやSNSの管理・運用など、煩雑な業務をアウトソーシングできます。それにより企業側は、採用プロセスの改善や内定者のフォローなど、本来取り組むべき業務にリソースを使えるようになるというわけです。

メリット(2)採用業務の品質が向上する

採用代行サービス会社は、採用関連の知識や経験が豊富なプロ集団です。業務を依頼すれば採用活動の質が向上し、求職者の満足度も高まることが期待できます。

具体的には、内定通知を求職者に出した後、電話でフォローをすることで内定辞退の防止につながります。しかし、自社だけで採用活動を行っている場合には、目の前の対応に追われて細かなフォローまで手が回らないこともあるでしょう。

採用代行に電話フォローまで依頼することで、内定者にもしっかりと誠意が伝わり、働くモチベーションも高まっていくはずです。

メリット(3)採用工数が削減される

採用代行を利用すると、採用にかかる工程数の削減につながるのもメリットのひとつです。

近年は特に若年層の獲得競争が激化するなか、応募者からの書類管理や問い合わせ対応など従来の業務だけでなく、複数の求人原稿の作成やSNS更新など、業務範囲の拡大に伴って工数が増加しています。

採用担当者の負担は重くなるばかりであり、「採用プロセスの再構築」が求められています。ノンコア業務をアウトソーシングすることにより、業務が整理され、担当者の負担も軽減されていくでしょう。

メリット(4)採用基準を統一できる

全国展開する企業では、拠点ごとに採用活動を実施しているケースも少なくありません。その場合、採用基準や選考プロセスが拠点ごとに異なっており、面接担当者の力量に委ねられていたりします。

そうなると、効果的な採用活動ができる拠点と人材不足を解消できない拠点の差が生まれ、人材獲得にもバラツキが生じてしまいます。拠点数が多い場合の本社の人事部は、細かい採用活動を把握しづらく「改善が難しい」と悩んでいる担当者もいるはずです。

そのようなケースでも、採用代行サービスが効果的です。全拠点で採用代行を導入すれば、採用基準を統一でき、採用における品質を安定させることができます。全体的な採用プロセスも本社で把握しやすくなり、改善策を打ち出しやすくなるのがメリットです。

3. 採用代行を利用するデメリット

一方で、採用代行を利用するデメリットについても2点を挙げて解説してみましょう。

デメリット(1)採用ノウハウの蓄積が難しい

採用代行サービス会社に業務を一任すると、自社に採用ノウハウの蓄積がされにくくなる点はデメリットのひとつといえます。

アウトソーシング会社が突然、撤退するなどして、自社のみで運営しなければならなくなった場合には、「進め方がわからない」といった状況に陥りかねません。

そのため、普段からアウトソーシング会社の担当者と密にコミュニケーションを取ったり、自社の担当者が全体の進捗状況を把握したりしておくことが重要になるでしょう。

デメリット(2)認識のズレがあるとミスマッチが起こる

「どのような人材を」「いつまでに」「何名採用したいか」といった点で、自社と採用代行サービス会社に認識のズレがあると、ミスマッチが起こってしまいます。

そのため、自社の求める人材が保有するスキルや経験年数、性格などの人物像を明確にし、アウトソーシング先に正確に伝えるようにしましょう。

また、採用代行サービス会社と連絡を取るのが人事部である場合、配属先の担当者と人事部の認識を一致させておくことも重要です。社内で欲しい人物像が一致していなければ、せっかく採用に至っても、配属後にミスマッチが起こってしまうからです。

ミスマッチを防ぐためにも、配属先、人事部、採用代行サービス会社で認識を統一しながら採用活動を進めていきましょう。

4. 人材紹介を利用するメリット

人材紹介を利用するメリット

次に、人材紹介を利用するメリットを3点解説していきます。

メリット(1)初期投資がかからない

人材紹介の料金体系は成功報酬型が取られているケースが多く、紹介した人材と企業が雇用契約書を結ばない限り料金は発生しません。

採用代行サービス会社とは異なり、エージェントが人材を探し出すためにどれだけ稼働しても料金がかかりませんので、企業としては初期投資が必要ない点がメリットといえます。

ただし、後述の「デメリット」でも解説しますが、採用が決定した際に支払う手数料が高くなる可能性もありますので、その点は注意が必要です。

メリット(2)客観的な視点から自社をPRできる

人材会社のキャリアカウンセラーが、転職希望者に対して『キャリアのアドバイス』や『応募企業に関する情報提供』をします。

カウンセリングを通して信頼関係を築いたキャリアカウンセラーから「自社の魅力」を伝えてもらえますので、説得力が高まる点は大きなメリットです。

自社からの一方的な情報提供だけでなく、キャリアカウンセラーからの客観的な意見を聞くことは、転職希望者の応募の後押しとなるでしょう。

メリット(3)非公開求人を掲載できる

社外に知られたくない極秘プロジェクトメンバーや、経営能力の高いエグゼクティブクラスの人材を採用したい場合、人材紹介に依頼すると非公開求人として掲載してもらえる点もメリットです。

また、急な退職による欠員補充で通常の採用プロセスを取る時間がない場合にも、人材紹介の非公開求人で採用候補を絞り込めるケースがあるようです。

このように、求人内容を競合他社に隠しておきたいケースや、採用活動を効率化させたいケースで非公開求人を利用すると効果的でしょう。

5. 人材紹介を利用するデメリット

続いて、人材紹介を利用するデメリットを2点挙げて解説します。

デメリット(1)採用費用が高額になることも

人材会社は成功報酬型を取るケースが多く、採用者の年収の35%前後が手数料として支払われます。また、成功報酬には、特定の転職市場や人材のリサーチ、候補者へのカウンセリングやフォローなど、さまざまな活動費用が含まれます。

具体的には、年収800万円クラスの人材を採用できた場合、800万円×35%=280万円が人材会社への報酬額です。一人の人材を採用するための手数料にしては比較的高額で、企業によっては負担が大きいと感じるかもしれません。

デメリット(2)条件を絞りすぎると適切な人材が見つからない

人材会社はピンポイントで希望する人材を探してもらえる点がメリットとして挙げられますが、条件を絞りすぎると適切な人材を見つけにくくなってしまいます。

特に、マネージャークラスの「即戦力」の採用や、優秀なIT人材の採用はやや難易度が高く、リサーチ型の人材会社でも紹介が難しいケースが見られます。

その場合、転職市場の状況を確認しながら採用条件を緩和していくことが重要になります。

6. 採用代行と人材紹介、どちらを利用するべき?

ここまで、採用代行と人材紹介のメリット・デメリットを解説してきました。では、企業はどちらを利用すべきなのでしょうか。その答えとしては「企業が求めているサービスによって異なる」ということです。

専門的なスキルが必要のないポジションや、未経験者の採用も可能であれば、母集団を形成して採用活動を行う「採用代行サービス」が効果的です。さまざまな求人媒体やSNSに情報を発信し、多くの候補者を募る採用活動が向いているといえるでしょう。

一方、専門性が高い求人や、エグゼクティブクラスの求人であれば、ピンポイントで人材を探し出す「人材会社」の利用が向いているでしょう。母集団形成や大量採用には向いていませんが、ある程度条件を絞ったうえで採用を検討している場合には、人材会社のサービスが適切です。

採用代行と人材会社の特徴を把握したうえで自社のニーズと照らし合わせ、どちらを利用すべきかを検討しましょう。

7. 採用代行や人材紹介を利用する際のポイント

それでは続いて、採用代行や人材紹介を利用する際のポイントを5点ほど挙げて解説しましょう。

ポイント(1)採用課題を抽出する

「人手不足で困っている」「採用活動がうまくいかない」という採用の悩みを掘り下げ、採用課題を特定することが重要です。人手不足という共通の悩みがあったとしても、企業によってその原因は異なる可能性があるからです。

たとえば、ある企業では「早期退職者が多い」「内定辞退が多く発生する」点が課題かもしれません。別の企業では「選考途中で辞退されることが多い」「ターゲットでない人物ばかり選考に来る」という課題が人手不足の原因かもしれません。

つまり、採用活動を細分化して考え、どのプロセスに最も大きな課題があるか抽出する必要があります。課題を特定することで、採用代行や人材紹介会社も解決策を講じやすくなるでしょう。

ポイント(2)採用KPIを設定する

課題を特定できたら、改善に向け次のような『採用KPI』を設定します。

  • 早期退職者数を半減させる
  • 内定辞退率を◯%まで下げる
  • 選考通過率を◯%まで上げる
  • 応募者数を◯名にする

そのほかにも、採用スケジュールや採用人数、採用コスト、採用後の定着率もKPIとして設定できます。

採用KPIを設定するメリットは、目標を共有しやすくなる点です。社内だけでなく採用代行や人材紹介会社とKPIを共有すれば、現在地の把握や改善もしやすくなるでしょう。

ポイント(3)依頼内容を決定する

次に、採用代行や人材紹介会社に依頼する業務を決定します。特に「採用代行」は幅広い業務を依頼できるので、コア業務とノンコア業務を分けておき、ノンコア業務をアウトソーシングしていくと良いでしょう。

依頼時に業務範囲や内容を明確しておかなければ、何度も問い合わせを受けることになり、時間を取られてしまう恐れがあります。スムーズに業務を開始できるよう、依頼する際はそれぞれの役割を確認しておきましょう。

ポイント(4)採用基準を明確にする

業務内容や範囲だけでなく、採用基準を明確にすることも重要です。自社と依頼先で採用基準にズレがあると、ミスマッチが起きてしまう可能性があります。

求める人物像とは違う母集団が形成されて選考プロセスが進み、途中で「ズレがある」ということになると、大きな機会損失が生じてしまうでしょう。

また、面接官の間でも採用基準を共有しておくことが重要です。個人的な好き嫌いで選ぶのではなく、評価基準を統一し、公平な判断ができるよう体制を整えましょう

ポイント(5)自社のニーズに合う会社を選定する

採用業務をアウトソーシングする際、自社のニーズに合った会社を選定することも重要です。

たとえば、採用代行を依頼できる会社には、採用戦略の立案など「コンサルティング業務にも対応している会社」と、応募者との連絡やスケジュール調整など「事務作業のみ対応している会社」があります。

採用戦略や計画の立案から選考、そして内定フォローまで一貫して依頼したい場合に、「事務作業のみ対応」の会社に依頼してしまうと、希望する人材の獲得は難しくなってしまうでしょう。

ですから、依頼前に解決したい課題を特定し、採用KPIや依頼内容を決定して、目標を共に達成できるアウトソーシング会社の選定が必要になってくるのです。

8. 採用代行ならパーソルワークスデザインへ

採用代行ならパーソルワークスデザインへ

採用代行と人材会社にはサービス内容や料金体系などに違いがあり、それぞれのメリットやデメリットを把握したうえで依頼する必要があります。

幅広い業務を依頼したいなら採用代行を、ピンポイントで専門性の高い人材を見つけたいなら人材会社を選ぶと良いでしょう。

パーソルワークスデザインは、「中途採用」や「新卒採用」を支援するRPOサービスをご提供しています。

面接日程調整や書類送付といった事務作業だけでなく、採用したい人物の要件定義や施策改善など、採用の上流部分も対応いたします。
総合人材会社のパーソルグループに蓄積された豊富な人材マーケットの知見を活用し、御社に合った内容を提案させていただきます。

コア業務に専念いただける環境を整えられますので、採用代行をご検討の場合には、ぜひパーソルワークスデザインまでお気軽にご相談くださいませ。

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