経理が人手不足に陥りがちな背景とは?課題や解決方法、アウトソーシング導入のメリットを解説

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経理が人手不足に陥りがちな背景とは?課題や解決方法、アウトソーシング導入のメリットを解説

経理が人手不足に陥りがちな背景とは?課題や解決方法、アウトソーシング導入のメリットを解説

経理部門の人手不足で、業務が回らない」

経理の責任者や経営者のなかで、このような悩みを持つ方は多くいらっしゃいます。経理業務には専門的な知識が必要で、人材の確保が難しい傾向にあるからです。しかし、人的リソースが不足した状態では様々な問題が発生しますので、早急な対策が必要といえるでしょう。

そこで本記事では、人手不足となる背景や課題をお伝えしたあと、解消するための4つの方法を解説します。特にアウトソーシング化は人手不足の解消だけでなく、多くのメリットがあるといわれています。そのメリットについては記事の後半で詳しくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

【この記事を読んでわかること】

・人手不足になる背景
・解消する方法4つ
・経理アウトソーシングのメリット5つ

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1. 経理部門が人手不足になる背景

組織のなかでも経理部門は特に、人手不足になりやすい傾向があります。ここでは、人手不足に陥りがちな背景を4点、解説します。

背景(1)専門的な知識が必要で、人材に限りがある

経理業務には簿記などの専門知識が必要で、適切な人材が見つかりにくいという特徴があります。企業規模によっては高度な簿記の知識が求められ、会計基準や財務諸表、資本や負債など、様々な知識を身につけた人材配置が重要になります。

さらに経理担当者は、会計基準や税法の改正に対応するために、知識をアップデートし続けなければなりません。例えば会計基準の変更があった場合には、正確に理解して社内処理に反映する必要があります。しかし、即戦力や学び続ける意欲のある人材を探し出して採用するのは難しく、そういったことも人手不足の要因として考えられます。

仮に簿記知識のない人を採用して社内で教育しようとしても、時間やコストがかかり企業側の負担が重くなってしまいます。そういった背景からも経理部門の採用や育成活動は滞り、慢性的な人員不足を生み出してしまうのです。

背景(2)そもそも労働人口が減少している

総務省統計局のデータによると、2021年の労働力人口は、前年と比較して8万人も減少しました。その原因は、少子化による生産年齢人口の減少です。このように人口が減っている状況で、多くの日本企業では人手不足に陥っています。

※参考:労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の概要

経理部門も例外ではなく、今後は「経理業務のデジタル化」や「アウトソーシングの導入」による人手不足の解消に向けた対策が急務です。さらに、女性や高齢者が働きやすい環境を整備したり、柔軟な働き方を推進したりする必要もあるでしょう。

人手不足の現状や問題点、企業ができる改善策について、詳しくはこちらのコラムにも記載していますので併せてご覧ください。
【人手不足】の現状・問題点・企業ができる改善策を徹底解説!

背景(3)間接部門であるため人員補充に消極的

売上を創出しない「間接部門」である経理に対して、人員補充に消極的な企業も多いものです。間接部門よりも、営業やマーケティングといった売上に貢献する「直接部門」の人員投入に注力する傾向があるのです。

そのため、企業全体で人員不足に直面している場合、経理部門の人員補充は後回しにされるケースが多くあります。その結果として、経理の人手不足がなかなか解消されない事態に陥ってしまうのです。

背景(4)ルーチンワークが嫌になり退職する社員がいる

先述したように、経理には高度な専門知識が必要になるケースもありますが、ルーチンワークも多い業務です。経理の毎日のルーチンワークには、伝票の作成や入力、預金や売掛金、買掛金の管理、現金出納などがあります。

従業員数が多い企業の場合には経理の作業量も増え、給与計算や経費精算といった月次業務、さらには四半期や年次決算と重なると激務になってしまいます。また、新人の場合、日次業務は覚えやすいですが、年次業務や四半期業務に触れる機会は多くありません。そうすると成長を感じられる機会が少なく、モチベーションが下がって退職につながる恐れもあります。

また、長年勤めていてルーチンワークに慣れていたとしても、定期的にやって来る繁忙期に疲れ果て、退職する社員もいるのが現状です。一刻も早く人手不足を解消しなければ、担当者の負担が重くなり、さらなる退職を招いてしまうなどの悪循環に陥るリスクがあるでしょう。

2. 経理の人手不足による課題

経理部門で人手不足が発生すると、どのような問題があるのでしょうか。ここでは3点の課題を挙げて解説します。

課題(1)担当者の負荷が重くなる

経理部門で人手不足に陥ると、現在勤務している担当者の負担が重くなってしまいます。業務量が多くなった結果、労働時間が長くなり残業を余儀なくされる恐れがあります。年次業務や四半期決算が重なってしまうと、さらに負荷がかかるでしょう。

経理は間接部門であり、数日間機能しなかったとしても企業活動に支障はありません。しかし、経営陣が組織の現状や収益性を把握し、方針を決めるうえで経理業務は非常に重要です。そこで、人手不足で経理業務が滞る前に、企業は対策を講じる必要があるのです。

課題(2)属人化し引き継ぎが難しくなる

人的リソースが不足すると、業務が属人化してしまいます。急な長期休暇や退職で担当者が不在になってしまった場合には、引き継ぎが難しくなることもあるでしょう。業務がブラックボックス化した状態では、マニュアルもなく上長ですら進捗状況を確認できなくなってしまうのです。

また、引き継ぎがなければこれまで蓄積した貴重なナレッジが消失してしまい、ゼロからの構築を余儀なくされます。その結果、経理業務の品質が低下するリスクがあるため、企業は早急な対応が必要です。

経理業務の属人化について詳しく知りたいという場合には、こちらのコラムをご覧ください。
経理業務が属人化しやすい原因とは?解消する方法を分かりやすく解説

課題(3)ミスが発生しやすくなる

人手不足の職場では、特定の担当者に業務が集中してしまいます。そうして、決算期前や年末調整など繁忙期に業務負荷が重くなると、ミスが発生するリスクがあります。経理業務でミスが起こり大きなトラブルに発展すると、会社の社会的信頼が落ちてしまうケースもあるでしょう。

人手不足を解消して業務負担を分散させ、繁忙期でも業務品質を維持できるような環境づくりが重要なのです。

3. 経理の人手不足を解消する方法

経理の人手不足を解消する方法

それでは、経理の人手不足を解消するには具体的に何をすればよいのでしょうか。ここでは、解決策として4点を挙げて解説します。

解決策(1)デジタル化を推進する

デジタル化を推進すると、業務効率化が実現し人手不足によるデメリットを解消しやすくなります。特に、経理業務には領収書や請求書、経費精算書の処理が多く含まれ、管理に手間がかかるからです。

例えば、「PDFで届いた請求書を内部処理するために印刷し、上長の承認を経て処理し、ファイリングして保管する」という一連の作業は、非常に煩雑といえます。この場合、クラウド会計システムを導入すると、紙を削減し経理業務のペーパーレス化が実現しやすくなります。クラウド会計システムがあれば、権限のある担当者なら誰でもアクセスできて処理しやすくなるだけでなく、クラウドにデータを保存できるのでパソコンが故障した場合でも紛失することはありません。

このように、経理業務のデジタル化を進めると、業務効率化が進むだけでなく安全にデータを管理できるようにもなるのです。

解決策(2)業務フローを改善する

人手不足を解消するには、業務フローを改善して効率化を図る必要があります。そのためには、経理業務がどのように進められているかをすべて書き出し、無駄がないかを確認すると効果的です。

例えば、毎日小銭を数えなくてはならない「小口現金」は本当に必要なのか検討してみても良いかもしれません。現金残高と出納帳に記載された金額が合わなければ、確認に手間がかかってしまいます。従業員からの立替払い請求を月に一回にして給料でまとめて支払うようにすれば、小口現金を完全に廃止できる可能性もあるでしょう。

また、二重作業を解消できないか確認することも重要です。具体的な例としては、預金通帳の金額を会計システムに入力すれば十分であるにもかかわらず、預金出納帳にも記入しているケースなどが挙げられるでしょう。預金出納帳への記入をなくしても問題ないのであれば、業務効率化につながります。

このように、業務フローを一度すべて洗い出し、廃止や効率化できる作業はないか確認することが重要です。業務フローを改善すれば、人手不足による経理担当者の負荷が軽減されるはずです。

解決策(3)マニュアルを作成する

経理業務をマニュアル化しておけば、担当者が突然の退職で不在になっても業務を引き継ぎやすくなります。

ベテラン従業員は、業務で得た知識を同僚などと共有せず一人で抱え込んでしまう傾向にあります。ですから、ベテラン従業員が長年にわたり担当した業務をマニュアル化しておけば、ノウハウを一般化しやすくなるでしょう。

マニュアルを一度作成したら、常に更新し続けることも重要です。誰が見ても理解できるマニュアルへと改善を続けると、人手不足になっても品質を維持できるようになるはずです。

解決策(4)アウトソーシングを活用する

アウトソーシングを活用することで、経理の人手不足が解消されます。アウトソーシングとは、経理業務の一部を外部に委託することです。社内で不足しているリソースをプロから調達できますので、人手不足の解消だけでなく品質向上など多くのメリットがあります。

人手不足や属人化に悩む企業にとって、アウトソーシングは効果的な解決手段だといえるでしょう。そこで、続いては『アウトソーシング導入によるメリット』を具体的にお伝えしていきます。

4. 経理のアウトソーシングを導入するメリット

経理業務をアウトソーシングすると、人手不足の解消はもちろん、ほかにも様々なメリットがあります。ここでは、メリットを5点ほど挙げて解説します。

メリット(1)人手不足が解消する

社内では十分に対応しきれない経理業務をアウトソーシングすることで、適切な人材を確保でき人手不足の解消につながります。具体的には、次のような業務を外部委託することができます。

証憑処理証憑の受取、仕訳入力、振替伝票の起票、照合作業など
データ作成支払、振込、経理のデータ作成など
請求・消込請求と振込金額の照合、入金消込など
書類・データ管理伝票の整理やファイリング、データ化など

例えば請求書の処理を外部委託する場合、下記のような流れになります。

  • 従業員から渡された交通費や物品購入費の領収書をアウトソーシング事業者に渡す
  • アウトソーシング事業者が内容を確認し、会計システムへ入力する
  • データを突き合わせて経費を照合させる
  • 問題がなければ書類をファイリングする
  • 支払仕訳をして企業の経理担当者に報告する
  • 経理担当者は入金振込を行う

こうした場合、経理担当者の業務はアウトソーシング事業者への書類発送や、振込作業だけになります。データ入力や照合、仕訳などといった煩雑な業務から解放されるため、人手不足の解消に大きな効果を期待できるでしょう。

メリット(2)属人化を避けられる

アウトソーシングを導入すると、属人化の解消にもつながります。外部に委託をする際に、ブラックボックス化していた業務を可視化する必要があるからです。

属人化が解消されれば、経理担当者の入れ替えが容易になります。急な退職にも対応しやすくなり、安定的な業務を継続できるでしょう。

メリット(3)品質が向上する

アウトソーシング事業者は経理のプロ集団ですので、利用することで品質向上が期待できます。最新の法改正にも対応してもらえるため、ミスを防止できるというメリットもあるでしょう。

さらに、外部委託すると社内教育が必要なくなります。採用や育成にかけるコストや時間を省略でき、従業員はコア業務に集中できます。

メリット(4)不正行為の抑止につながる

経理は権限が一人に集中し、属人化すると不正が起こりやすい業務です。そこでアウトソーシング事業者という第三者が携わることで、社内での不正抑止につながります

アウトソーシング事業者を選定する際には、「セキュリティ面に強いか」を事前に確認するとよいでしょう。

実際に行われた会計不正事例については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご参照ください。
会計不正にはどんな種類が?不正の原因や実際の事例、阻止する方法についても徹底解説

メリット(5)資金計画や予算管理など「コア業務」に集中できる

人手不足が解消されると、担当者に「本来やるべき業務に取り組む時間」が生まれるのも大きなメリットです。

そもそも「経理」とは「経営管理」の略称で、その名の通り企業の経営活動をサポートするための重要な部門のひとつです。しかし、煩雑なルーチンワークに追われ、経営管理とは程遠い業務をこなしている方も少なくないでしょう。

経理のコア業務は、資金計画や予算管理など経営に近い業務だといえます。アウトソーシングを利用すれば、そういった成長を実感できるようなコア業務に取り組みやすくなります。従業員がやりがいを感じるようになると、離職率も下がり安定的な雇用につながるでしょう。

5. 経理の人手不足解消ならパーソルワークスデザインへ

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経理は簿記など専門知識が必要で、人材の確保が難しく人手不足が生じやすい部門です。人手不足に陥ると、担当者への業務負担が大きくなるなど、さまざまな問題が起こります。

そこで、人手不足を解消するためにもアウトソーシングの導入が効果的です。パーソルワークスデザインでは、「経理業務アウトソーシング」と「経費精算アウトソーシング」をご提供しています。

BPO専業50年の豊富な実績とノウハウがあり、証憑のシステム入力、仕訳処理、照合など、ニーズに応じてカスタマイズした業務をお任せいただけます。また、ご要望がございましたら、DX化や業務フロー改善も支援可能です。

経理や経費精算業務のアウトソーシングをご検討の場合は、ぜひパーソルワークスデザインにお気軽にご相談くださいませ。

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