採用マーケティングの実践ガイド|マッチした候補者の募集を増加させる6ステップ

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採用マーケティングの実践ガイド|マッチした候補者の募集を増加させる6ステップ

採用マーケティングの実践ガイド|マッチした候補者の募集を増加させる6ステップ

採用に励む企業の中には、「立てた採用目標を達成できず困っている」「戦略を立てて採用活動をしているが、質に課題を感じる」といった悩みを抱えているところもあることでしょう。

質と数の双方を担保するためには、採用マーケティングが有効です。本記事では、採用マーケティングの基礎知識やメリット、実施の手順を具体的に解説します。採用課題の解決を果たしたい企業の方は、ぜひ最後までお読みください。

1. 採用マーケティングとは

「採用マーケティング」という言葉は、当たり前ですが「採用」と「マーケティング」というキーワードで構成されます。つまり、自社の採用活動にマーケティングの考え方と手法をプラスしたものが採用マーケティングだというわけです。

自社にマーケティング部があり、商品やサービスのマーケティング活動を行っているという場合、その担当者の思考や施策を人事担当者にも落とし込んでいくことが、採用マーケティングといえるかも知れません。

1-1. 採用マーケティングが注目される理由

冒頭で「ここ数年で『採用マーケティング』がトレンドとなっている」とお伝えしましたが、ではなぜ採用マーケティングが注目されているのでしょうか。その理由について2つを挙げて解説してみましょう。

1-2. 会社を渡り歩いていく人が増えてきた

かつては日本も経済成長を続けており、「終身雇用」の時代がありました。多くの会社は社員を一生守れるだけの力があり、働けば働くほど役職を得られて給与は上がり、会社に一生を捧げる人も多く、転職する人は稀だったのです。

しかし現代は、不景気が続いており、多くの会社はいざというときに社員を守ることができません。人より働いたからといって、必ずしも役職を与えられるわけでもなく、給与も横ばいの会社が多いのではないでしょうか。
一方で、業績が下がると一律で給与を減らされてしまい、ボーナスもカット。そうして、多くの優秀な人材が会社にとどまることなく転職を選び、会社を渡り歩いていくという世の中に変わってきています。

そのため、企業としては多くの人材に選んでもらう必要が強くなってきており、採用マーケティングの重要性が増してきたといえるでしょう。

1-3. 人材獲得の競争が激化してきた

一つ目の理由にも関連してきますが、会社を渡り歩いていく人が増えて人材の流動化が進んでいるだけでなく、「会社が増え、働く人は減っている」という背景もあります。国税庁の「会社標本調査」によると、全国の法人数は2012年に253万5272社でしたが、2020年には280万4371社となり、8年で27万社近く増えています。
※参考:「会社標本調査」国税庁

なかには採用活動を行っていない零細企業も多いと思われますが、就活生や転職活動中の人にとっては選択肢が増えたといえるでしょう。一方で、厚生労働省の「労働力調査」によると、労働力人口は2019年の6886万人をピークに2021年には6860万人と2年連続で合計26万人減となっています。
※参考:「労働力調査」厚生労働省

また、総務省の「人口推計」によると2022年11月の20~24歳の人口は623万人、15~19歳は551万人と、これから新卒になる人口もどんどん減っていくことが予測できます。
※参考:「人口推計」総務省

そのため、各企業ともに「人手不足」について大いに懸念してきているわけです。
「いかに優秀な人材を自社に多く集められるか」「いかに、今いる社員が自社から去らないようにするか」を真剣に考えなくてはならない時代となったのです。

そこで、多くの先進的な企業がこぞって導入し始めたのが、採用マーケティングです。続いては、その採用マーケティングの具体的な手順と、有効な5つの手法についてご紹介します。

2. 採用マーケティングを導入するメリット

続いて、採用マーケティングを導入するメリットを3つ挙げて解説してみましょう。

採用マーケティングを導入するメリット

2-1. ターゲット人材からの応募が増加する

採用マーケティングを導入することで、求職者に効果的にアプローチできるようになりますので、ターゲットは従来の採用よりも広く設定することができます。
つまり、今すぐは転職を考えていない潜在層や、従来ならターゲット外にしていたはずの退職者に向けても発信をすることになります。そうして潜在層の認知変容を起こすことができれば、これまでよりも多くの応募数が見込めるようになるはずです。

2-2. 自社にマッチする人材が見つけやすくなる

採用マーケティングの手法をご覧いただいて分かるように、採用したい人材として明確にペルソナを設定することで、自社にマッチする人材が見つけやすくなります。
潜在層に向けた情報発信では、採用情報に限らず自社のメッセージや社員の様子、社内の文化や福利厚生といった様々な角度からの魅力を伝えていきます。そのため、応募に至った時点ですでに求職者にも自社の働き方や文化が理解されていることになります。さらには、内定辞退や入社後の早期離職の割合が低下することも期待できるでしょう。

2-3. 採用コストの削減につながる

採用マーケティングでは、訴求したいターゲットを明確にして、そのターゲットに向けたチャネルを設定していきます。そうすることで効果的な訴求が可能になり、広告費は最適化され、長期的な採用コストの削減も見込めることになります。
採用マーケティングでは求職者に向けたコンテンツや、マーケティングのナレッジが蓄積されていきますし、PDCAサイクルを回しながら繰り返し活用することもできますので、コストパフォーマンスが高い、安定した施策になっていくことも期待できます。

3. 採用マーケティングを導入するデメリット

では次に、採用マーケティングのデメリットを2つ挙げて解説してみましょう。

採用マーケティングを導入するデメリット

3-1. 一時的に人事部の時間外労働が増える

採用マーケティングを行うことで、人事部の担当者の時間外労働が一時的に増えることがよくあります。
特に、メールやSNSの対応などは返信するタイミングを決めて対応するとか、リファラル採用では社員からの相談に乗る時間を決めてしまうなど、予めルールを決めておかないと可視化されない工数が増加してしまう可能性があります。

3-2. 成果が出るまでに時間がかかる

採用マーケティングとしてSNSでの採用やリファラル採用など、新しい採用手法を導入したとしてもすぐには効果が出ない可能性があります。
例えば、チャネルとしてSNSを使って採用マーケティングを進めていこうと思っても、まずは採用情報などを地道に発信し続けて認知してもらう必要性があります。はじめたからといってすぐには成果が出ませんが、そのことをしっかりと認識しながら、求人媒体や転職エージェントとの併用を考えて採用活動を進めていく必要があるでしょう。

4. 採用マーケティングを導入する6ステップ

採用マーケティングを実施していく際は、以下6つのステップを踏むことがおすすめです。

採用マーケティングを導入する6ステップ
  1. 自社のポジションを分析し魅力を明確にする
  2. 採用したいペルソナを明確にする
  3. キャンディデートジャーニーを作成する
  4. 有効なチャネルや手法を決定する
  5. KPIを設計する
  6. アクションの優先度を決定する

候補者にアプローチする前に、自社の分析から順序立てておこなっていくことで、各施策の質を高められ、採用で成果を出しやすくなります。

ステップ(1)自社のポジションを分析し魅力を明確にする

採用マーケティングを実施していく前に、市場における自社のポジションを分析して、魅力を明確にしていくことが大切です。市場を考慮して自社のアピールポイントを定めることで、候補者にメッセージが響きやすくなります。分析をする際は、下記のフレームワークが役立ちます。

  • 3C分析
  • SWOT分析

「強み」「弱み」など、決められたフレームに沿って分析をすることで、思いつくままに自社の状況を分析する場合よりも、効率的かつ効果的に自社の現状を把握できるようになります。

分析方法(1)3C分析

3C分析は、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの項目を軸に自社の状況を分析する手法です。経営のシーンで活用されることの多いフレームですが、採用活動にも応用可能です。具体的には、次のような要領で分析をしていきましょう。

Customer(市場・顧客)候補者が転職で重要視していることは何か?
採用市場における候補者の数はどの程度か?
転職をするタイミングはいつか?
Competitor(競合)採用市場で競合となる企業はどこか?
他社の採用手法はどうなっているか?
他社の給与などの待遇はどうか?
Company(自社)採用における自社の強み・弱みは何か?
ブランド力やネームバリューはどうか?
独自の商品やサービスはあるか?

分析を進める中では解釈や意見も集まりますが、「事実」を徹底的に収集することがポイントです。事実を分けて整理することで、より客観的な分析ができます。

分析方法(2)SWOT分析

SWOT分析は、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの項目に沿って自社を取り巻く環境を整理する手法です。3C分析と同じく経営戦略の立案などに使われるフレームワークですが、採用活動でも有用です。

Strength(強み)自社の人材やノウハウ、機能、技術、体制などにおける強みは何か?
Weakness(弱み)競合他社に比較して見劣りしていたり、不足していたりする経営資源はないか?
Opportunity(機会)景気や技術革新、トレンドの変化など、自社にとって追い風となる要因は何か?
Threat(脅威)市場環境の悪化や法規制など、自社にとって向かい風となる要因はないか?

SWOT分析でも3C分析と同様に事実を収集して、項目を埋めていきましょう。自社の強み・弱み・機会・脅威に関して、顧客や従業員にアンケートやヒアリング調査を実施したり、情報収集したりして検討していきましょう。自社の分析は1人の視点からおこなうよりも、多数の声をもとにおこなった方が客観性は高くなります。

ステップ(2)採用したいペルソナを明確にする

自社の内部環境・外部環境を分析した後は、ペルソナを明らかにしていきましょう。ペルソナとは、求職者の中でも自社の採用候補者としてとくにふさわしい人物像、自社が採用したい人物像を指します。ターゲットも同様の意味を持ちますが、ターゲットよりも属性を具体的かつ細かく設定します。採用におけるペルソナ像を決定する際は、次のような項目を1つずつ考えていきましょう。

新卒採用・中途採用共通    年齢
性別
学歴
趣味
家族構成 など
新卒採用    部活動
アルバイト
企業選びで重視すること
学生時代に一番力を入れたこと
長所
短所
中途採用  現在の仕事内容・経歴
キャリアの悩み
転職で重視すること
年収
保有スキル・知識
普段利用している求職媒体

一つひとつの項目を考える際に大切なことは、頭の中で考えるのではなく、事実をもとに考えることです。過去に採用に至った自社の社員にアンケートやヒアリング調査を実施して、どのような思考やスキルを持っているのか、どのような方法で求職活動をしていたのか、などを精査しましょう。事実をベースに考えることで、机上の空論に終わらず、現実に即したペルソナ設計が可能です。

その後の採用活動は、設計したペルソナを軸に進めていきます。そのペルソナに対して、自社のどのような魅力を伝えれば響きそうか、どのチャネルを用いてどの手法でアプローチすれば反応が期待されるか、などを考えましょう。「求職者」「候補者」といった漠然とした人物像ではなく、特定の人物像に範囲を限定して、施策を考案・実行していくことで、自社に必要な人材に対して的を射たアプローチができるようになります。

ステップ(3)キャンディデートジャーニーを作成する

ペルソナを設計したら、キャンディデートジャーニーを作成していきましょう。キャンディデートジャーニーとは、「候補者が自社を認知してから、内定に至るまでの道筋」を指します。ジャーニーの主役はペルソナであり、以下のようなフェーズを歩んでいきます。

  1. 認知:求人サイトなどを通じて自社を知った、知る前の段階
  2. 興味:求人を読み自社に興味を持った段階
  3. 応募:他社との比較検討をした後、応募に至った段階
  4. 選考:選考に進んだ段階
  5. 内定~内定承諾:内定をもらった段階

各フェーズにおいてどのような感情や悩みを抱いているのか、何がキッカケで次のフェーズに移行したのかなどを考え、講ずるべき施策に見当をつけます。

フェーズごとに、ペルソナの思考やニーズは異なるため、それぞれの段階で異なるアプローチをしていくことが大切です。認知段階でいきなり「キャリア相談を受け付けます」「まずは面接にお越しください」と訴求をしても、アクションにはほとんどつながりません。認知段階で求めるものは、事業内容や実績、理念、待遇など基本的な会社概要です。一方で、興味~応募段階のペルソナには、キャリア相談の開催が有効といえます。

つまり、自社が設計した1人のペルソナを軸に採用活動を進めていく場合でも、候補者ごとに異なるフェーズにいることを意識して、フェーズに応じた対応をすることが大切です。

キャンディデートジャーニーを用いて各候補者の状態を細かく可視化することで、状態ごとに適したアプローチができるようになります。

ステップ(4)有効なチャネルや手法を決定する

キャンディデートジャーニーを作成した後は、フェーズごとに有効なチャネルや手法を決めていきます。採用チャネルは多岐にわたりますが、以下の4つが代表的です。

  • 採用オウンドメディア
  • SNS採用
  • リファラル採用
  • イベント

それぞれに異なるメリットがあり、適したシーンも変わってきます。そのため、状況や状態に応じて細かく使い分けることが大切です。

採用オウンドメディア

採用オウンドメディアは、企業が保有するメディアの中でも、人材採用を目的に運用されているメディアを指します。ブログやnote、Wantedlyなどを用いれば、自社の魅力を紹介したり、自社で働く社員へのインタビュー記事を配信したりすることが可能です。

採用オウンドメディアは、読者が「読みたくなるもの」を提供するものであるため、自社のことを知らないユーザーにも自社の情報を届けられます。また、コンテンツを通じて自社のカルチャーを感じ取ってもらえることから、採用でのミスマッチを防ぎやすくなることも利点です。

採用オウンドメディアと類似するものに「採用サイト」がありますが、採用サイトとは別物です。採用サイトは、すでに自社の求人に興味がある人に向けて情報発信をする媒体であり、自社を知らないユーザーが採用サイトに訪れることはほとんどありません。

SNS採用

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは、FacebookやInstagram、Twitter、LinkedInといったSNSで実施する採用活動を指します。SNS採用では、自社の魅力やお役立ちコンテンツ、面白コンテンツを発信したり、ユーザーと直接コミュニケーションを図ったりできます。

SNS採用の魅力は、ユーザーとの距離の近さです。求人票や採用サイト、採用オウンドメディアよりもカジュアルな形で情報を伝えられ、ユーザーと接点を持てます。たとえば、実際に働く社員が仕事・休憩中の画像や動画、仕事に悩んだこと、仕事上の“あるある”話などを発信すれば、リアルな自社の様子が伝わりやすいでしょう。ユーザーとの交流も図りやすくなります。また、会社のカルチャーや社員の人柄が伝わりやすいことも大きなメリットです。

SNS採用では、情報発信や交流だけではなく、候補者に直接アプローチができます。関係性を築けた状態でオファーをすれば、面談などに進んでもらいやすくなるでしょう。候補者にアプローチする際は、「リファラル採用」や「ダイレクトリクルーティング」とも呼ばれます。

リファラル採用

リファラル採用とは、社員に知り合いを紹介してもらい、紹介された人に面談や面接を実施する手法を指します。リファラルでの採用自体は昔からありましたが、昨今ではSNSなどの発達によって相手の人柄を確認しやすくなり、気軽にコミュニケーションが取りやすくなりました。そのため、リファラル採用は活発化しています。

また、社員が推薦する知り合いは、考え方やスキルにおいて社員と似ている傾向にあり、ミスマッチを防ぎやすいことも利点です。ミスマッチを防げれば、入社後すぐにカルチャーや業務に馴染んでもらいやすくなり、長く定着してもらえるでしょう。

リファラル採用をおこなう際は、社員に人員募集中の旨を伝え「紹介できそうな人がいないか」を確認することが有効です。また、社員のSNS上でポジションが募集中であることを周知してもらうことも効果的です。

イベント

採用イベントでは、企業が候補者と接点を持ち、事業内容や魅力を伝えたり、候補者からの相談に乗ったりします。実際に職場を体験してもらうことや、お役立ち情報を提供することもあるでしょう。

具体的には、合同企業説明会や個別企業説明会、インターンシップ、セミナー、交流会が採用イベントに該当します。内定後の新入社員向けオリエンテーションや入社前研修も、採用イベントに含まれるでしょう。

採用イベントは候補者と直接関われるため、自社の雰囲気や魅力を肌で感じ取ってもらいやすい点がメリットです。また、合同企業説明会など会場に多数の求職者が集まるシーンでは、自社への関心が薄い層にも立ち寄ってもらいやすく、話を聞いてもらえる機会が生まれるのも利点です。

ステップ(5)KPIを設計する

キャンディデートジャーニーに沿って採用活動を進めていく中では、KPIを設計することも重要です。KPIを用いて進捗を把握することで、目標と現状との差異や、どの部分に問題があるのかを明らかにできます。それにより、必要な対策を講じやすくなります。

採用マーケティングのKPIは、次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 自社へのエントリー率
  • ウェブサイトのページビュー数
  • メールの開封率
  • 説明会への参加率
  • 面接の実施率
  • 被紹介者の応募率
  • 採用単価
  • 入社配属後の評価(本人・同僚・上司)
  • 採用後の離職率/定着率

KPIは「KPIツリー」(樹形図)を用いて全体像を可視化するのがおすすめです。KPIツリーを活用すると、全体像を直感的に確認しやすくなるため、「何をすればうまくいくのか」「どの点の改善が必要なのか」などを把握しやすくなります。

KPIを管理する際は、各指標が意味するものを理解することも重要です。たとえば、メールの開封率が低い場合は、本文以外の部分に問題があるとわかります。具体的には、タイトルの訴求力が低かったり、そもそもズレたペルソナに多くメールを配信していたりするのかもしれません。各指標が意味するものは何かを考え、的を射た改善策を講じることが大切です。

ステップ(6)アクションの優先度を決定する

KPIを設計した後は、どの指標・アクションから優先して実施・改善する必要があるのかを考えましょう。すべてのKPIを同時並行で追いつつ、改善することが理想ですが、時間・リソースには限りがあるため現実的ではありません。そのため、KPIの中でも優先順位をつけた上で対応することが大切です。

KPIの優先順位は、各社の採用戦略や状況によって変わってきます。たとえば、面接担当者の「見極め」にバラツキが大きく、担当者ごとに採用の数が安定していない場合は、「面接通過人数」を重要度の高いKPIに設定して、各面接担当で管理するとよいでしょう。

5. 採用マーケティングを実施する際に失敗しやすいポイントと解決方法

採用マーケティングを実施する際に失敗しやすいポイントと解決方法

採用マーケティングを実施していくと、さまざまな課題に直面するでしょう。その中でもとくに気をつけたいポイントは以下の2点です。

  • 専属のマーケターがいない
  • PRや誇大広告に奔走してしまう

起こり得る問題を把握し、事前に対処しておくことでスムーズに成果を出しやすくなります。

5-1. 専属のマーケターがいない

採用マーケティングを実施する際に、専属のマーケターがいない場合は注意が必要です。採用マーケティングは、採用の知識だけではなくマーケティングの知識も必要になるので、マーケターが欠かせません。ペルソナやキャンディデートジャーニーを精度高く設計して、ペルソナのフェーズごとにチャネルを使い分けるためには、マーケティングに精通した人材のサポートが必要です。

マーケターを用意する際は、自社の既存マーケターにお願いしたり、募集をかけて新しく採用したりするよりも、採用マーケティングに精通した人材を外部からアサインするのがおすすめです。既存マーケターは他の業務との兼務でリソースが限られています。また、採用に精通するマーケターは市場価値が高く、新規採用は難航する可能性があるでしょう。

アウトソーシング会社に依頼し、豊富な知見を持った専属のマーケターを手配してもらうことで、リソースを担保できるとともに、成果を出しやすくなります。

5-2. PRや誇大広告に奔走してしまう

採用を急ぐあまり、PRや誇大広告に奔走してしまわないことも大切です。採用マーケティングにおいては、通常の広告とは異なり、候補者と時間をかけて関係性を築いていくことが重要です。過度なPRは候補者に嫌がられてしまうリスクや、人手不足で切羽詰まっている印象を与えてしまうリスクがあります。その場合、候補者の転職候補から外されてしまうかもしれません。

誇大広告は採用まで結びついたとしても、入社後にイメージとのギャップによってモチベーション低下を招きやすかったり、最悪の場合は早期退職に至ってしまったりする可能性があります。

PRや誇大広告に奔走してしまわないためには、控える意識を持つことよりも、豊富なノウハウを持った人材にマーケティングを担ってもらうことが有効です。専門性に長けた人材であれば、過度なPRや誇大広告に頼らずともしっかりと成果を出しやすいです。

6. まとめ

採用マーケティングをうまく実施できれば、候補者からの応募数増加が期待できます。自社の求める人材に絞ってアプローチをしていくため、獲得する候補者と自社とのマッチ度が高いのも魅力です。

ただし、採用マーケティングで成果を出すためには、しっかりとした戦略が必要であり、それには専門性の高い人材を確保することが不可欠です。採用や教育、アウトソーシングの活用などを通じて、採用マーケティングに精通した人材を確保しましょう。

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