【弁護士監修】白ナンバーのアルコールチェック義務化とは? ポイントを徹底解説!

2022.06.07

【弁護士監修】白ナンバーのアルコールチェック義務化とは? ポイントを徹底解説!

【弁護士監修】白ナンバーのアルコールチェック義務化とは? ポイントを徹底解説!

監修


弁護士法人プラム綜合法律事務所
弁護士 梅澤 康二

2022年4月から、一定の条件を満たす企業に対して運転者へのアルコールチェックが義務化されました。とくに大きなポイントとなるのは「白ナンバー」の自動車が対象となっている点です。

しかし「具体的にどのような法改正があったのかわからない」あるいは「そもそも白ナンバーと緑ナンバーの違いがわからない」といった方は少なくないでしょう。

本記事では、アルコールチェックの義務化について、具体的な内容実施方法白ナンバーと緑ナンバーの違いなどを解説します。アルコールチェックの実施をするためにどのような準備をすればよいのか、迷っている企業担当者の方はぜひ参考にしてください。

1. アルコールチェック義務化とは?

アルコールチェックは、飲酒運転を防止するために「運転者に対して酒気帯びの有無を確認する」ものです。2022年4月1日以降と2022年10月1日以降の2段階に分けて、アルコールチェックの義務化が進められていくことが決定しています。

1-1. 【2022年4月改正】道路交通法施行規則3つのポイント

2022年4月から「道路交通法施行規則」が改正されたことにより、アルコールチェックが法律で義務付けられました。全国で約34万の事業者と、その管理下にある約770万人のドライバーが対象となります。

主なポイントは、次の3つです。

(1)白ナンバー(自家用車など)を5台以上、もしくは定員11人以上の車を1台以上使う事業所は、「安全運転管理者」を選ばなくてはいけない

→この条件に当てはまる事業所は「安全運転管理者選任事業所」と呼ばれます。オートバイは0.5台換算されますが、原動機付自転車は対象外です。また、業務に使用している車であれば、「社有車」や「レンタカー」「持ち込みのマイカー」なども対象になります。

全国展開している企業の場合、安全運転管理者は営業所ごとに選ばなくてはなりません。さらに、20台以上の車を所有している場合には、20台ごとに1名の「副安全運転管理者」の選任が必要となります。

(2)運転前後の運転者の状態を目視等で確認したうえで、酒気帯びの有無を記録し、1年間保管をする

→2022年4月1日以降に施行された内容です。安全運転管理者が、運転者の確認と記録を行います。

(3)アルコール検知器を用いて運転者の酒気帯びの有無を確認する

→2022年10月1日以降に施行予定の内容です。検査に使用するアルコール検知器はいつでも使える状態にしておかなければなりません。

1-2. アルコールチェックを怠った場合に起きること

アルコールチェックの漏れがあった場合や、適切な方法で確認が行われなかった場合、どうなるのでしょうか。

実は、飲酒運転による事故が起きた場合は事故を起こした本人だけではなく、違反した営業所に対しても何らかの行政処分(深刻な事案では事業停止命令等)が課される可能性がありますので注意しなければなりません。

2. 白ナンバー(自家用車)にアルコールチェックが義務化された背景

白ナンバー(自家用車)にアルコールチェックが義務化された背景.

従来、アルコールチェックは緑ナンバーの自動車を保有する業者に義務付けられていました。しかし、今回の法改正により白ナンバーにもアルコールチェックが義務化されたわけですが、その背景には、「飲酒運転による事故が絶えない」という現状があります。

2-1. 飲酒運転による交通事故の発生状況

警視庁のデータによると、2000年に約26,000件を記録していた「飲酒運転による事故件数」は、2021年においては2,198件と大幅に減少しています。また、「飲酒運転による死亡事故」についても、年々減少し、2021年は152件となっています。

※<引用>警察庁「みんなで守る『飲酒運転を絶対にしない、させない』

しかし、減少幅は縮小傾向にあるため、さらなる対策が求められているのが現状です。さらに、飲酒運転の死亡事故率は、飲酒なしで運転した場合と比べて約9.2倍となっているため、死亡事故を減らすためには酒気帯び運転の割合を大幅に減らさなければなりません。

2-2. 飲酒運転に対する厳罰化

飲酒運転に対してはこれまでに何度も刑法や道路交通法の改正がされてきました。
2011年には国土交通省主導で、運送事業者が運転者に対して行う、点呼時のアルコールチェックが義務化されています。さらに2014年には「危険運転致死傷罪」と「自動車運転過失致死傷罪」を刑法から独立させた法律として「自動車運転死傷処罰法」が施行され、アルコールの影響により危険な運転を行って事故を起こした場合に、従来よりも重い刑罰を科すことが定められました(例えば、アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為により事故を起こし、人を負傷させた場合は15年以下の懲役刑、死亡させた場合は1年以上の有期懲役刑が科されます。)。

しかし、度重なる法改正にもかかわらず、2021年6月、千葉県八街市で白ナンバーのトラックが、飲酒運転により下校中の小学生の列へ衝突して5名が死傷する事故が起きてしまいました。
この事件をきっかけに2021年8月4日、「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」にて飲酒運転の根絶を図るための取り組みが検討され、白ナンバー車を使用する事業者に対してもアルコールチェックが義務化されることになったのです。

3. 緑ナンバー(営業車)と白ナンバー(自家用車)の違い

緑ナンバー(営業車)と白ナンバー(自家用車)の違い

緑ナンバーとは、緑地に白文字のナンバープレートをつけた「事業用自動車」のことです。
一方で、白地に緑文字のナンバープレートをつけている「自家用自動車」を白ナンバーと呼びます。白ナンバーは“通称”のため、いわゆる黄色ナンバーの軽自動車も白ナンバーに含まれるのが一般的です。

それでは、緑ナンバーと白ナンバーで、それぞれどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

3-1. 運搬物の違い

緑ナンバーは、貨物自動車運送事業の用に供される自動車(簡単にいえば運賃をもらって荷物や人員を運搬する自動車)を指します。たとえば、タクシーや貨物トラック、バスなどがあてはまります。

このような事業用自動車以外の自動車(例えば、自社の社員を送迎する自動車や荷物を「無償で」運搬する自動車など)白ナンバーです。

運搬物としてはこのような違いがあります。

3-2. 税金の違い

自動車に関連する税金の違いを見てみましょう。
緑ナンバーは、白ナンバーと比べて以下のように自動車税や自動車重量税が安くなるのが特徴といえます。

 自動車税自動車重量税
緑ナンバー7,500〜40,700円10,400〜41,600円
白ナンバー25,000〜111,000円13,200〜65,600円

3-3. 運行管理者の有無

緑ナンバーを取得するためには、一般貨物自動車運送事業許可(いわゆる運送業許可)の取得が必要です。また、運送業の許可を取得した事業者は、貨物自動車運送事業法によりドライバーの乗務管理や指導監督をする「運行管理者」を選任しなければなりません。

一方、白ナンバーについては2022年4月の改正法施行前はそのような管理者を置く必要はありませんでした。

4. アルコールチェックの実施方法

それでは、具体的なアルコールチェックの方法について見ていきましょう。警察庁からの通達により、アルコールチェックの実施方法は具体的に定められています。

4-1. チェックするのは業務の開始前や退勤時

運転前・運転後へのアルコールチェックが必要となります。
ただし、個々の運転行為のたびにチェックを要するわけではなく、一連の運転業務の開始前及び終了後にそれぞれ実施すれば問題ありません。

4-2. 目視での確認が必要

安全運転管理者が、目視によって以下の3点を確認します。

  • 運転者の顔色
  • 呼気の臭い
  • 応答の声の調子

4-3. アルコール検知器を使用しての確認

2022年10月以降は目視に加えて、アルコール検知器を使用しなければなりません。酒気帯びの有無を、アルコール検知器に表示される色や形、数値などで確認します。

5. アルコールチェック義務化に向けて事業主がやるべきことは?

アルコールチェックをはじめるときには、さまざまな準備が必要です。ここでは、対象となる事業者の方がやるべきことをまとめてみました。しっかり確認したうえで、早めに準備をはじめていきましょう。

5-1. 安全運転管理者の選出と届出

安全運転管理者の資格要件を満たす者の中から一人選び、事業所を管轄する警察署に届け出ます。安全運転管理者を解任するときや、管理する自動車の台数を変更して管理者の選任が必要なくなった場合にも変更の届出が必要になります。

なお、安全運転管理者を選任しなかった場合には5万円以下の罰金、選任したが届出を行わなかったときには2万円以下の罰金又は科料が課されることがありますので、注意が必要です。

5-2. アルコール検知器の確保

アルコールチェックに使用できるアルコールチェック検知器は「国家公安委員会が定めているもの」とされていますが、性能上の要件はさほど細かく問われません。アルコールチェック検知器は多くのメーカーから販売されていますので、性能を見極めたうえで利用しやすいものを選んでいきましょう。

今後、2022年10月の法改正に向けて、アルコール検知器の需要が高まることが予測されますので、早めに手配しておくと良いかもしれません。

5-3. アルコールチェック記録の作成と保管

アルコールチェックの記録については、1年間保管する義務があります。決まった書式はありませんが、最低限でも以下の内容はわかるようにしておかなければなりません。

<記録しておくこと>

  • 確認者名
  • 運転者名
  • 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号など
  • 確認日時
  • 確認方法(アルコール検知器の有無、ない場合は具体的な方法)
  • 酒気帯びの有無
  • 指示事項
  • その他、必要事項があれば

役所への提出義務もありませんが、専用の台帳を用意して抜けや漏れがないよう記録しておくようにしましょう。

6. アルコールチェックの依頼ならパーソルワークスデザインへ

白ナンバーのアルコールチェックの義務化について解説してまいりましたが、結果の記録や情報のとりまとめなど、「負荷が高いな」と感じた方も多いと思います。

パーソルワークスデザインでは、アルコールチェックに関する業務についてアウトソーシングにて対応させていただいております。

24時間365日、早朝・深夜のみ、土日祝日のみなど、お客様の状況に応じてコールセンター窓口を開設したり、記録や管理にかかる業務において担当者さまの工数を削減したりと、お客様のご要望に合わせた対応をしております。

さらに、窓口も「シェアード体制」で運用しているため、コストを抑えた業務委託を実現しています。詳細を記したダウンロード資料もご用意しておりますので、ぜひ下記ページよりご確認くださいませ。

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