ミステリーコールとは?外部委託した際の費用やメリットについて徹底解説

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ミステリーコールとは?外部委託した際の費用やメリットについて徹底解説

ミステリーコールとは?外部委託した際の費用やメリットについて徹底解説

コールセンターの品質管理を担当する方のなかには、「ミステリーコールを実施したい」とお考えの方が多くいらっしゃるでしょう。

ミステリーコールとは、コールセンターにおける覆面調査を指します。オペレーターがどのような対応をしているか外部調査員が評価することで、電話対応の品質改善につなげられるのがメリットです。

しかし、「ミステリーコールの費用相場が分からない」というお悩みの声も少なくありません。費用感をつかめないために調査を依頼すべきか判断できず、導入を迷ってしまうケースが散見されるのです。

そこで本記事では、ミステリーコールの費用相場について解説します。さらに、ミステリーコールを実施する目的や外部委託するメリット、実施する手順まで解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

1. ミステリーコールとは

ミステリーコールとは調査員が顧客を装ってコールセンターに電話をかけ、オペレーターの応対品質を評価することです。

オペレーターが普段どのような対応をしているかを調査できるうえ、必要であれば改善につなげることもできます。具体的には、「言葉遣いが正確か」「声のトーンは適切か」「スムーズに問題解決ができているか」「相手を待たせ過ぎていないか」など、応対品質を確認することができるのです。

ただ、社内で調査すると評価が甘くなってしまったり、オペレーターに誰が電話をかけているか声で分かってしまったりする恐れがあるため、ミステリーコールは外部委託して調査するのが一般的です。

ミステリーコールで自社の強みや弱みを把握して改善につなげることで、応対品質や顧客満足度は高まっていきます。そのため、多くの企業で導入が進んでいるのです。

1-1. 実施する目的

ミステリーコールを実施する目的は、単に自社の強みや弱みを把握することだけではありません。

コールセンター業界についてよく知る専門会社に調査を外部委託することで、客観的な視点で評価してもらうことができます。それにより、競合他社と比較して自社の品質レベルを知ることもできるのです。

競合他社と比べて、「説明は分かりやすいか」「ホスピタリティが感じられる話し方か」「問い合わせ内容をスムーズに解決できているか」など、自社のポジショニングを確認することも目的の一つです。

以上のように、競合他社と比較しながら自社の現状を把握することで、品質改善につなげられる点が、ミステリーコールの大きなメリットといえるでしょう。

2. ミステリーコールの費用相場

ミステリーコールの費用の内訳は、「基本料金」「コール料金」「分析・レポート料金」「オプション料金」の4つに分けられます。この4つのなかでは特に「分析・レポート料金」の比重が高いことが特徴です。

ミステリーコールを外部委託すると、応対品質の評価だけでなく、調査結果を分析し、レポートにまとめてもらえます。分析レポートが的確であれば、改善点をピンポイントで把握できます。そして、応対品質の研修やフィードバックなどによって、オペレーターの育成につなげられるはずです。

なお、これからご紹介するのはあくまで費用相場であり、依頼する調査会社や実施規模などによって金額は異なります点をあらかじめご了承ください。

2-1. 基本料金:5万〜30万円

基本料金には会話のシナリオやトークスクリプトの作成が含まれますが、5万〜30万円と幅があります。シナリオの作成量やオペレーターの人数など、規模によって基本料金は変わってくるでしょう。

ミステリーコールでは、あらかじめどのような問い合わせをするか考えてシナリオやトークスクリプトを作成します。調査会社がクライアントの課題をヒアリングし、よくある問い合わせやクレームのなかからシナリオを作成していくのが一般的です。

クライアント側がシナリオやトークスクリプトを作成するケースもありますので、どちらが作成すべきか相談しながら進めていきましょう。

2-2. コール料金:0.5万〜1.5万円

コール料金とは、調査員がコールセンターに電話をかける1件あたりの料金で、0.5万〜1.5万円が相場となります。

ミステリーコールでは、調査員がコールセンターに問い合わせをしてオペレーターの対応を細かく評価するため、一定額の費用が掛かります。ただし、調査会社によっては基本料金に含まれ、コール料金を別途請求しないケースも見られます。

オペレーターへの質問や評価項目はあらかじめ打ち合わせで決めておき、実際の会話を通して対応をチェックしていきます。

2-3. 分析・レポート料金:5万〜15万円

分析・レポート料金は、ミステリーコールで確認した応対品質をベースに、オペレーターの評価をまとめてもらうところに掛かる費用です。相場料金は、5万〜15万円と設定されているケースが多いでしょう。

レポートは評価項目に応じてスコアがつけられ、基準値よりも低い項目に対しては改善策が記載されています。また、複数のオペレーターにミステリーコールを実施した場合には、スキルのバラつきも把握することができます。

表やグラフで視覚化され、詳細な分析コメントが記載されているレポートであれば比較的料金が高く、スコアによる定量評価のみのレポートだと比較的料金が低い傾向にあります。

2-4. オプション料金

ミステリーコールで抽出された課題を解決するための「コンサルティング」や「研修」を受ける場合、別途オプション料金が必要となります。また、「録音サービス」や「文字起こし」を希望する際にも、同様にオプション費用がかかります。

録音サービスの相場は1件1,500〜3,000円です。研修やコンサルティングサービスについては、調査会社によって大きく異なりますので、確認が必要です。

ミステリーコールの調査結果を改善につなげていきたい場合には、調査後のオプションサービスも併せて検討してみましょう。

3. ミステリーコールを外部委託するメリット

ミステリーコールを外部委託するメリット

それでは次に、ミステリーコールを外部委託するメリットについて、4点を挙げて解説します。

メリット(1)自社の課題に合わせたシナリオを設計できる

ミステリーコールは、問い合わせ内容を「シナリオ」として設計できる点がメリットです。自社が調査したい課題に絞ってシナリオ作成をすることで、現状把握が容易になります。

普段の応対の様子を録音しても品質を確認することはできますが、実際の顧客からの問い合わせは自社が調査したい内容と異なるケースも多くあります。

その点、ミステリーコールでは“改善したい課題”に沿ったシナリオを作成できますので、自社の弱みを把握して改善策を立てやすくなるでしょう。

メリット(2)自社の強みや弱みを専門家に評価してもらえる

ミステリーコールは、自社の強みや弱みを把握しながら専門家に評価してもらえる点もメリットです。

ミステリーコールの調査員には多くの知見や経験があり、業界標準と比較しながら自社のことを評価してもらえます。社内で評価した場合よりも的確なフィードバックが得られ、応対品質の改善が図れるでしょう。

また、応対品質の項目を集計しても、分析できなければ活用できません。分析まで専門家に外部委託すれば、競合他社と比較したうえでの実用的なアドバイスをもらえ、PDCAを回しやすくなります

メリット(3)人的リソースが不足する繁忙期にも実施できる

ミステリーコールを外部委託すると、人的リソースが不足しがちな繁忙期にも実施できます。コール数が増加する時期にミステリーコールを行うことで、忙しいタイミングでオペレーターがどう対応しているかを把握できるようになります。

繁忙期はオペレーターの負担が多く対応が雑になっている可能性もありますので、閑散期よりも課題を抽出しやすくなるでしょう。

また、複数のオペレーターに対して大規模な調査を行うことで、コールセンター全体の傾向が見えやすくなります。ニーズに応じて規模をどこまで大きくできるか、調査会社に相談すると良いでしょう。

メリット(4)調査会社によっては研修も依頼できる

調査会社によっては、研修サービスまで依頼できる場合があります。

ミステリーコールで弱みを抽出してもらい、応対品質の向上のために必要な研修まで依頼できれば、ワンストップでスムーズです。研修会社を探す必要もなくなり、手間やコストを削減できるでしょう。

また、研修だけでなく、効率的な管理方法や育成方法などの「コンサルティング」を提供している調査会社もあります。研修もコンサルティングも別途費用はかかりますが、必要に応じて導入を検討してみると良いでしょう。

4. ミステリーコールを実施する手順

それでは、具体的にミステリーコールの実施手順について順番に解説していきましょう。

STEP1:ヒアリング

まずは依頼企業へのヒアリングからはじめます。どのようなシチュエーションで、オペレーターのどのような項目をチェックしたいのか、打ち合わせで話を聞いていきます。

さらに、ミステリーコールが必要になった背景や、現在抱えている課題の確認も必要です。そのヒアリング内容をもとに、調査する「ミッション」や「ゴール」を策定していきます。

ですから、依頼する側としては、ミステリーコールの打ち合わせで調べてもらいたい項目を説明できるよう、事前に状況を整理しておくことが重要です。

STEP2:シナリオやスクリプトの作成

ヒアリング内容から「ミステリーコールの台本」ともいえるシナリオやスクリプトを作成します。シナリオやスクリプトを作成するにあたり、依頼企業との打ち合わせ内容だけでなく、業界や業種などの調査も必要となります。そのため、作成には数週間程度の時間が掛かるでしょう。

特定の時期にミステリーコールを実施したい場合には、余裕を持って調査会社に依頼することが重要になります。

STEP3:ミステリーコールの実施

シナリオやスクリプトが完成したら、あらかじめ定めた時期にミステリーコールを実施します。具体的には、調査員が顧客を装って電話をかけ、シナリオやスクリプト通りに会話を進めていきます。

複数のオペレーターに対して実施する場合は、スケジュール通りにコールを繰り返していきます。また、競合他社と比較したい場合には、同じ内容のミステリーコールを他社にも実施します。

STEP4:カリブレーション作業の実施

「耳合わせ」を意味する『カリブレーション』は、コールセンターにおいてミステリーコール終了後に専門の担当者が音声をチェックしていく作業を指します。

カリブレーションで重要な点として、「複数の調査員で評価すること」が挙げられます。お互いの評価をすり合わせ、信頼性の高い評価や分析に昇華させていくのがカリブレーションの特徴です。

STEP5:分析レポートの作成

カリブレーション作業で出された集計結果をもとに、分析レポートを作成します。

ここでは、数字の記載だけでなく、図表を用いながら視覚的に分かりやすい分析レポートを作成するケースが多く見られます。

また、改善点やアドバイスなど、コメントが多く記載された分析レポートは、応対品質の改善に効果的です。

STEP6:報告会の開催

最後に、調査会社からクライアントに向けて報告会を開催します。分析レポートをもとに弱みや強みを説明する以外に、具体的な改善策の提案まで含めてレポートされるケースが多いでしょう。

分析レポートで抽出された課題の改善には、「研修」が効果的です。オペレーターの弱みを改善できるような研修を提供し、応対品質を向上させていきましょう。

5. 費用も含めたミステリーコールの相談ならパーソルワークスデザインへ

費用も含めたミステリーコールの相談ならパーソルワークスデザインへ

ミステリーコールの費用相場だけでなく、外部に委託するメリットや手順についても説明してきました。

ミステリーコールは、競合他社と比較しながら自社の弱みや強みが把握でき、PDCAを回しやすいのが特徴です。クオリティやパフォーマンスごとに評価し、分析することで応対品質の向上や、ひいては顧客満足度アップにつながるでしょう。

私たちパーソルワークスデザインでは、「応対品質改善サービス」の一環として、ミステリーコールサービスをご提供しています。以下に、サービスの3つの特徴を解説します。

特徴(1)国際基準に準拠した評価ができる

パーソルワークスデザインは、HDIの認定パートナーです。HDIとは、サポート業界で唯一国際的に認知されたサポート標準を管理する団体のことを指します。

HDIに認定されたスタッフが在籍しているため、国際基準に準拠した評価を実現します。

特徴(2)400社以上の実績がある

パーソルワークスデザインは、上記HDIが実施する「お問い合わせ窓口格付け調査」を2006年より開始し、これまで400社以上に実施してきました。

年間7〜8回の頻度で調査を実施しておりますので、お客様のニーズに合わせて規模や時期の調整ができ、満足度の高い調査が可能です。

特徴(3)充実した研修サービスがある

ミステリーコールの実施で課題を抽出したあとは、「スタッフ/リーダー教育サービス」をご利用いただけます。

このサービスでは、話し方・マナー研修ロールプレイング研修、コールセンターのSV向け研修があり、課題に応じて受講できるのが特徴です。

「ミステリーコールを実施して、コールセンターの現状を把握し改善につなげたい」

このようなご要望がある場合には、ぜひパーソルワークスデザインの「応対品質改善サービス」および「スタッフ/リーダー教育サービス」をご利用ください。

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