株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス様

問い合わせ急増。『KCS』運用と『AI Dig』導入で、「一次回答時間」は減少し「属人化」は解消へ

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス

導入サービス
  • お客様相談センター・お問合せ窓口サービス
業種
  • 通信
期待される効果
  • 属人化解消
  • 従業員満足度向上

公衆無線LANによるブロードバンドアクセス事業を主業務とされる、株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス様。モバイル端末の普及とWi-Fi環境の拡大により、ユーザーからの問い合わせ増加に伴う対応業務も急増しました。そこで、コストと品質のバランスを加味してパーソルワークスデザインにサポート業務を依頼。当初は難易度の高さから属人化が進んでしまったものの、『KCS』での運用と『AI Dig』の導入により属人化は解消。一次回答時間も劇的に改善することになったのです。

  1. Before
    • 問い合わせが急増し、社員リソースの確保が困難に
    • 多くの知識や経験をもとに回答するため、一次回答に時間がかかる
    • “属人化”が進み、特定のスタッフの業務負荷が増大
  2. After
    • 手離れのよい対応と、VOC(顧客の声)に沿った提案も
    • 『AI Dig』の導入で一次回答時間は導入以前の1/3までに改善
    • 『KCS』運用で標準化が進み、誰でも対応できるように

導入前の課題

Wi-Fiに関する問い合わせが急増し、社員のみでの対応は困難に

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス担当者様①
株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス
技術・運用企画本部
副本部長 太田様

Appleのスティーブ・ジョブズが初代iPhoneを発表したのは、2007年1月9日。そして2008年7月11日には、「iPhone 3G」が国内で初めて発売されました。当初はソフトバンクのみの扱いでしたが、2011年の「iPhone 4S」からauでも取り扱うようになり、一大ブームになっていきました。

iPhoneのブームに伴ってユーザーが増えたのは、「Wi-Fi」も同様でした。会員向けの公衆無線LANサービスや、カフェなどでのフリーWi-Fiを提供しているワイヤ・アンド・ワイヤレス様では、ユーザーからの問い合わせが急増していたのです。

社員のみで電話対応をしていた当時を、技術・運用企画本部の副本部長である太田様は次のように振り返ります。

「私もまだ入社していない10年以上前のことになりますが……当初、社内に“カスタマーセンター”と呼べるようなものはなく、数名の社員が他業務と兼務しながら土日も対応するという状況だったと聞いています」

スマートフォンの普及により、外出先での快適なインターネット環境に対するニーズが高まり、ワイヤ・アンド・ワイヤレス様の事業は拡大。それに伴い、Wi-Fiサービスを利用されるお客様からのお問い合わせの件数も増加し、社員のみで対応することが困難な状況となったのです。

iOSやAndroidは頻繁にアップデートされるため、少しずつUIや動作にも変化が生じ、お問い合わせが増加。また、サービスを提供されるワイヤ・アンド・ワイヤレス様も利用者の利便性向上のため「仕様変更」や「新サービスの導入」などを行うことにより、様々なケースのお問い合わせが増えていきました。

「増加する様々なお問い合わせにご満足いただく形で対応するには、社員のリソースだけでは不十分な状況でした」と太田様は苦々しい表情で語りました。

「お客様に満足いただける対応を取れる体制作りが急務」といった機運が高まっていき、外部への業務委託を検討していったワイヤ・アンド・ワイヤレス様。

外部への委託を検討するうえで、どうしても外せない条件として「365日受付可能」「お問い合わせをワンストップで対応できるセンター」「高品質かつ低コスト」といった点を挙げられていたようです。

委託を検討している時の心境を振り返り、太田様はこう話します。「私はサービスをご利用いただくお客様からの問い合わせ部門を担当していますが、提供しているアクセスポイントの保守をする部門や、障害系の管理部門も兼務していました。ですので、お客様対応の部分については『安心してすべての対応をお任せできる企業さんを見つけたい』という思いがあったんです」

取り組み内容

委託したものの、一次回答時間と属人化に課題が

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス担当者様➁
株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス
技術・運用企画本部
サービスデスクチーム 小賀原様

安心して対応を任せられる企業を探していた矢先、お声がけいただいたのがハウコム(現・パーソルワークスデザイン)でした。

そして、他にも幾つかの候補があるなかから、コストと品質のバランスなども加味してパーソルワークデザインが選定されたのです。選定後、導入時には「KPI」が設定されることにもなりました。

そのKPIについて、太田様は次のように説明されます。「任せたけれど『その後は何にも分からない』では駄目なので、何らかの数字目標は設定しましょう、ということで最もメジャーな“放棄呼率”を設定させていただきました」

電話を掛けてきても繋がらずに諦めてしまうのが“放棄呼”です。その割合である放棄呼率をKPIに設定し、パーソルワークスデザインの宮崎アウトソーシングセンターで運用が始まっていきました。

運用開始から放棄呼率は目標数字を維持していましたが、しばらくして問題になったのは『一次回答時間』と『属人化』でした。その背景として、問い合わせの難易度がありました。この業務は、お問い合わせいただくサービスの種類が多く、Wi-Fiご利用端末やOSも多岐にわたるため、多くの知識や経験が必要となっていたのです。

『一次回答時間』は、電話応答から解決までにかかった平均時間を指しますが、2020年度の時点で、問い合わせ対応にはかなりの時間を費やしていました。また、『属人化』の状況については、サービスデスクチームの小賀原様が次のように振り返ってくださいました。

「経験豊富なベテランの方が多くいらっしゃって、私たちが何かひとことを言うだけで『そこまでやってくれるのか』と驚くくらい、ユーザー対応の先読みをする提案をしていただき、とても助かっていたんです。ただ……」

経験豊富なスタッフであればスムーズに行える対応も、経験の浅いスタッフでは不十分となることは大きな課題でした。太田様も次のように言います。「経験豊富な方が離職や休暇となると、我々としても不安になる部分が少なからずありました」

そこでパーソルワークスデザインは、ワイヤ・アンド・ワイヤレス様とも話し合いながら、経験豊富なメンバーへの属人化をなくして標準化していくことに力を注いでいこうと考えていったのです。

導入の効果

「KCS」により標準化を達成!一次回答時間も劇的な改善へ

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス担当者様③
中央:株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス
技術・運用企画本部
サービスデスクチーム 萱原様

一次回答時間の短縮、そして属人化の解消のためにパーソルワークスデザインがまず行っていったのは、『KCS』での運用でした。

※KCSとは、米国NPOサービスイノベーションコンソーシアムが10年以上の年月をかけ、多数の大手IT企業参画のもとに開発されたナレッジマネジメントのベストプラクティスです。

『KCS』によるナレッジマネジメントが機能することで、誰が対応しても同等のサービルレベルを維持できるようになっていったのです。その状況について、小賀原様は次のように語ってくださいました。

「現場ですごく努力していただいて、サービスレベルが上がっていきました。今は新人の方でも3ヶ月ぐらいで周囲と同レベルの対応をしてくれるようになっているので、“標準化”が機能していると思います」

さらにパーソルワークスデザインは、KCSによる運用だけでなく『AI Dig』の導入も行いました。『AI Dig』はS&I社の製品で、電話での応対をリアルタイムにテキスト変換でき、お客様からの質問に対する回答候補をAIが洞察してくれるツールです。

これにより、長くなりがちであった一次回答時間も大きく減少することになったのです。その状況を、太田様が次のように解説してくださいました。

「一次回答時間はもともとかなり時間がかかっていましたが、2021年度には当初の3分の1まで劇的に改善しました。これは、『KCS』での運用により利用価値の高いナレッジが揃い、それを『AI Dig』に結びつけていただいたことが大きいのではないでしょうか」

また、当初はサービス仕様の変更や新サービスの導入などにより、電話の対応にも苦慮されていましたが、その点について「非常に手離れよく対応いただけております。一定の資料をお渡しすれば、あとはパーソルワークスデザインさんの社内でお客様対応に使用できるレベルまでナレッジ化していただいています」と太田様は笑顔で口にされました。

さらに、ただ電話に対応するだけでなく、お客様からのお問い合わせをもとにした改善提案も積極的に行っていきました。この点についても太田様は次のように語ってくださいました。

「いただいた提案を、開発部門や事業部門にフィードバックする取り組みを行っております。“一番ユーザーに近い部門からの声”ということで、その提案は非常に貴重で重要なものと社内で認識されていますね」

今後の展望として、別で運用しているチャットボットについてもパーソルワークスデザインに集約し、『KCS』による運用、『AI Dig』、そして『AIチャットボット』を3つの柱とする構想があるようで、太田様は最後に次のように説明してくださいました。

「お客様の時間を拘束してしまう『電話での解決』から、スキマ時間の『チャットでの解決』へとシフトして、最終的にはお客様の声をもとにした改善活動を行って『聞かなくてもわかる』サービスへと昇華させていきたいですね」

導入事例 | 株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス様

ワイヤアンドワイヤレス様

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お客様プロフィール 株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス様はKDDIグループにおける「公衆無線LAN」に特化したモバイル通信事業者です。自社ブランドサービスである「ギガぞうWi-Fi」、「Wi2 300」、またKDDI株式会社との協業サービスである「au Wi-Fiアクセス」を提供されています。「ギガぞうWi-Fi」、「au Wi-Fiアクセス」ではスマートフォン向けのWi-Fi接続支援アプリを展開され、利用者様は使い放題でワイヤ・アンド・ワイヤレス 様が運営する街中の高品質(EAP-TTLS方式)Wi-Fi スポットの利用ができ、加えて、Free Wi-Fi をVPN で安全に接続するなど、通信事業者ならではの高セキュリティな公衆無線LAN サービスを提供されています。
また、企業・自治体ブランドで展開するフリーWi-Fiサービスにおいても広くワイヤ・アンド・ワイヤレス様のシステムが利用されており、日本全国で10万か所以上のWi-Fiスポットの運営をされています。加えて、導入したWi-Fi環境をインターネットアクセスとしての用途に留まる事なく、Free Wi-Fi利用者様とのコミュニケーションの接点創出や整備に付随するネットワークの利活用などの視点を含めて、DX促進に役立つ各種ソリューションを提供されています。

本社所在地 東京都中央区銀座6丁目2番1号 Daiwa銀座ビル4F
設立 2007年7月3日
代表者 代表取締役社長 向吉智樹

担当者コメント

KCS標準化の取組の中で常に大切にしてきたことは、通常の委託業務運用にとどまらず「もっとお客さまのお役に立ちたい」という想いです。その想いに共感くださり、二人三脚で一緒に歩ませていただけたことで、今日までの成果があると思っています。今回のインタビューでもたくさんのお褒めの言葉をいただけ、はたらくうえで、これ以上の幸せはないなと感じました。今後も引き続き、「エフォートレス」「問い合わせをせず快適に利用できる」といったお客様満足度が高いサービスの提供を行い、ワイヤ・アンド・ワイヤレス様の更なる拡大発展に向け貢献し続けてまいります。

パーソルワークスデザイン株式会社
サービスデザイン本部
CSソリューション1部1課
海田

※掲載内容は取材当時の情報です。

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